第26話 頭に「は」のつく映画といえば?
現在も活躍されている女優の水野美紀ですが、十代でデビューした頃は「アクションもできる女優」という触れ込みで、ドラマなどでも「ケンカの強い女の子」みたいな役柄が結構あった気がします。
スーパーファミコンの「ストリートファイターⅡ」発売当時は、春麗のコスプレで様々なゲーム雑誌の表紙を飾っていましたし。
というわけで、頭に「は」のつく映画、「ハード・リベンジ、ミリー」を紹介します。
2008年の邦画。監督・脚本・撮影は辻本貴則、出演は水野美紀、虎牙光揮、今村浩継、中村哲也、紗綾、大口広司ほか。
近未来、西暦20XX年。
銃刀法の規制緩和により、治安が一気に悪化、大都市は機能を失って悪党の巣窟と化し、暴力と殺戮が溢れる無法都市となったヨコハマ……。
荒廃した世界の中でも、週末には家族でドライブを楽しむなど、慎ましく庶民的な生活を送っていた主婦・ミリー。
そんな生活に終わりが訪れます。
犯罪グループ「ジャックブラザーズ」の悪党たちの手で、夫と子供を目の前で殺され、ミリー自身も瀕死の重傷を負わされたのです。
一命を取り留めたミリーは、復讐の一念を胸に、残りの人生を賭けます。
伝説の刀鍛冶・ジュウベエによって、仕込み刀・仕込み銃など金属の兵器を義手や義足に埋め込んで、剣術や格闘術を習得したミリー。
すべては、夫と子供の仇・ジャックブラザーズを全滅させるため……ミリーは、報復の鬼となる!といったハードなアクション作品。
相手の身体に刀をブッ刺した後、引いて人体を切り裂くなど、グチャドロで血しぶき飛び交うスプラッタ描写、そしてキレッキレの格闘描写!
ストーリーは至ってシンプルで単純明快、ひとりの女性の復讐譚です。
50分足らずの短編だからか、余計な部分は一切削ぎ落として(設定は冒頭のナレーションとテロップでサックリ説明し、細かな物語の流れなどに時間を使わない! 潔い!)、とにかく格好良いアクションと、血みどろスプラッタを描くことを一番に置いているのです。
DVDには、本編とほぼ同尺の45分のメイキングも収録されていて、作り手たちがいかにアクションに注力しているか、その熱量を感じ取れます。
2009年には、続編「ハード・リベンジ、ミリー ブラッディ・バトル」も製作されています。
こちらは、夫と子供を殺した宿敵・ジャックブラザーズを倒し、復讐を遂げたミリーの後日談。
仇を討ったはいいが、生き甲斐を失って彷徨っていた時、ジャックブラザーズの残党に姉を殺され、復讐したいので殺人術を教えて欲しいという女・ハルが、ミリーの元に教えを乞うてやってきます。
ハルを追ってやってきた残党たちと戦うことになりましたが、またしてもミリーは瀕死の重傷を負わされ、新たな兵器を肉体に仕込んでミリーは復活、残党どもと戦うのです……といったストーリー。
ハイスピードのアクションや、血みどろの量も、前作よりグレードアップ!
膝からショットガン、手からの折り畳みブレードに加え、トンファショットガン、レーザーポインタ付きのヌンチャク銃、最後にはロケットパンチなど……想像の斜め上を行く、ぶっ飛んだ武器が次々登場。
しかも、相手も自身を改造した「メカニック」とあって、ガチで拳で殴り合うシーンの一発一発が非常に重く、「いいアクション見たわー」という気分になれます。
茶髪のショートカットで黒いレザーのコスチューム、感情を表に出さず淡々と戦う女性像が格好良いんだなあ!
実にいいです、水野美紀。
余談:水野美紀のデビュー作は、スーパー戦隊シリーズ「地球戦隊ファイブマン」のミリア星人・ソーラだそうです。
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