EPISODE5 陽葵くんと休日デート 午後 side蘭

さて、お昼ご飯も食べ終わったし次は陽葵に服を見に行くんだな。

しっかし陽葵が私とお揃いの靴を選んでくれるとは・・・


ふふっ、ふふふっ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっ

あ~~~~、もう!!嬉しすぎる!!!!


『お揃いがいい』って陽葵もう私のこと好きだろ!!(二人は付き合ってます)


しかも『私に近づけるから』ってどんだけキュンキュンすると思ってるんだよ!心臓止める気か!!!

てか陽葵私のこともうベタ惚れだろ!!!(自分のことは棚に上げています)


おい()の中!陽葵に愛を叫んでいるときに水を差すな!(なんで聞こえてんだよ)


蘭「陽葵、そろそろ行こうか」

陽「はい!」


隣を歩く陽葵を盗み見る。知っての通り私と陽葵は身長差20cmの凹凸カップルだ。身長が高いのは、武道を嗜む身にとっての良いこともちろんあるんだけど、ここ182cmまで来ると女子にとってのマイナス面の方が圧倒的に大きい。


だってかわいい服とか靴とかぜんっっっっっっぜん無いんだもん!!!

しかも男子から変に妬まれるし!!マジで鬱陶しい!!!!


この前もいい服見つけたと思ったら170cmまでしかなかったし・・・


蘭「ふぅぅ・・・」

陽「どうしました?」

蘭「こんなに身長いらないのになぁ・・・って」

陽「・・・気に入った服が170cm止まりだったんですか?」


流石陽葵!!一発で言いたいことが分かってくれる!好き!!


蘭「そうなんだよぉぉぉ。いつもジーンズ履いてるけど私だってかわいい服着て陽葵とデートしたいんだよぉぉぉ。でもかわいい服が私の身長にことごとく対応してないんだよぉぉぉ!」

陽「いつもかわいいですよ?」

蘭「っ!!・・・うん、ありがとう。でも、女の子として自分磨きしたいんだ」


ナチュラルに褒めるとか陽葵お主もしや女慣れしてるな?そうだな?

・・・そうだったら悲しいなぁ。


陽「そうなんですか・・・すみません。如何せん蘭さんが初めての彼女でして、女心とかそういうのは全く分からず・・・」

蘭「そ、そうか・・・」


女慣れしてなくてそれ!?え、じゃあ天然女たらしってこと!?それもそれで嫌だなぁ・・・


ん?そういえば陽葵って年の離れたお義姉さんいたよね?しかも結構陽葵のこと構うタイプの。もしかしてそのお義姉さんにいろいろ教えてもらってるとか?

・・・その可能性が高いな。


蘭「陽葵ってさ、誰かに女性との付き合い方みたいなのって聞いた?」

陽「えっ?」


ちょっと踏み込みすぎたか!?

いや、一回陽葵の答えを待とう。陽葵は言いたくないなら言いたくないって教えてくれるはずだから


陽「え~っと・・・お恥ずかしい限りなんですが、姉にいろいろ教えてもらいました・・・」

蘭「そういうことだったのか・・・」

陽「でも、なぜいきなりそんなことを?」

蘭「なんかナチュラルに褒めるところとか女性慣れしてるなあってところがあってね。」


陽葵って彼女は私が初めてって言ってたし、莉心とはそういうことは言わないだろうしね。


陽「あはは、姉さんは心配性ですからね・・・」

蘭「よく絡んでくるんだっけ?」

陽「絡むというか過保護というか・・・そんな感じです」


陽葵のお姉さんって私と似ているかもな・・・て、てことは、もしかして私もめんどくさい女だと思われてる・・・!?


陽「ほんとに蘭さんと違って心配し過ぎなんですよね~・・・」

蘭「・・・」


う~ん、もしかして私心読まれてる?そんなわけないよね。

そうだったら私死ぬよ?恥ずか死するよ?だって、もしそうなら私の愛の叫びも聞こえてるんでしょ?じゃあ死ぬしかないじゃん。


っと、しょうもない『たられば』考えてる間に着いたな。


蘭「よし、頑張ってコーディネートしよう!」

陽「よろしくお願いします!」

蘭「じゃあ、まずはこっちに・・・」


その後、なんやかんやして(約1時間)無事にコーデできました。

彼氏の服選びに1時間って長いかな?どうなんだろ?

ネットには・・・書いてなさそうだね。


陽「じゃあ蘭さん!アイス食べにに行きましょう!」

蘭「アイス!?も、もしかして・・・」

陽「僕からのプレゼントです!」

蘭「やったあああ!!よし、え~っと、トリプルで、バニラとクッキー&クリームとチョコミントにしよう!!」

陽「ちょ、ちょっと気が早いですよ!」


あ、興奮しすぎた。しかし、陽葵はこんなことで嫌いにならないのは私の経験上実証済だ!過去の私の心のHPを犠牲にしてな!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アイスクリーム♪アイスクリーム♪


あ~~~、嬉しいなぁ。

何が嬉しいってアイスクリームが食べれることももちろん嬉しいんだけど、やっぱり陽葵が私のために何かしてくれるのが一番嬉しいんだよね。


まあ私、見た目はこんなだけど心はしっかり乙女だからね。

だから、好きな子がそういうことをしてくれると素直にキュンしちゃう訳で。


蘭「陽葵、ありがとう。大好き」

陽「うわっ」


取り敢えず陽葵を抱きしめて胸を押しつける。

こうすると、陽葵は恥ずかしそうにしながらも喜んでくれてる……と思う。

嫌そうな顔はしてないし。


私は恥ずかしくないのかって?

う~ん、最初はもちろん恥ずかしがったけど何百回もしてると逆に安心するなあ。

相手が私なことを一番に考えてくれる陽葵だからっていうのはあるかもだけど。


陽「えっと・・・恥ずかしいです・・・」


か、かわいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!

なんだこのかわいさはぁぁぁぁぁぁぁ!!?

照れてる陽葵かわいすぎだろ!!!かわいすぎだろぉぉぉ!!!!!


陽「うううう・・・」


ぐはあああぁぁぁぁぁぁっ(吐血)かわい・・・すぎ、る・・・


陽「あ、あのう・・・」

蘭「ん?どうした?」

陽「えと、そろそろ離していただけると・・・」

蘭「ああ、ごめんごめん」


もう少しくっついていたかったけど仕方ないね。

陽葵に嫌われたくないし。


陽「あ、そういえばアイスって32でよかったですよね?」

蘭「ああ。よく覚えてたね」

陽「もちろんです。蘭さんのことですから」

蘭「・・・あう」


はうううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!陽葵が・・・陽葵が健気すぎるんだが・・・!!!?

あとうれしすぎるんだが・・・?


陽「ならフードコートの方にあったはず・・・」

蘭「確かあったね」

陽「フードコートって何階でしたっけ」

蘭「一階だったはずだよ」


そのまま他愛のないことを話しながらフードコートに向かう。


・・・ひとつ言いたいんだけど、エスカレーターって横に並んで乗ったら迷惑になるっていうじゃない?あの風習ってカップルに不親切じゃない?

陽葵と横に並んで楽しくお喋りできないじゃないか。


・・・まあ親切である必要はないんだけどさ。


陽「―――ってことがありましてですね・・・」

蘭「あははっ、なにそれ!あ~、面白い」

陽「・・・久しぶりに蘭さんの笑い声を聞いた気がします」

蘭「え・・・そうかな?」


な、なんか恥ずかしいな・・・


陽「はい。すっごくかわいいです」

蘭「っ!!!?」


ひ、ひなたあああああああ!!

今!ここで!『かわいい』はダメだって~~~~!!

キュン死する!!うれしすぎてキュン死しちゃうから~~~~!!


蘭「あ、ああ・・・ありがとう」

陽「ふふっ、照れてる顔もかわいいですね」


はうううううううううううううう!!

陽葵が・・・陽葵が小悪魔になってるうううううううううう!!

私を殺しにかかってるうううううう!!


はあ、はあ・・・小悪魔陽葵が久しぶり過ぎて・・・こ、抗体がなくなってた・・・

こ、これは一度問い詰めないと・・・


蘭「な、なあ陽葵?私がかわいいって言われるの苦手って知ってるよね?」

陽「はい。もちろんわかってますよ。蘭さんのことですから」


きゅん・・・じゃなくて!


蘭「じゃあ、なんでかわいいばっかり・・・」

陽「蘭さんのかわいい顔が見たいからです」


うっ・・・陽葵のピュアな瞳が・・・


陽「あと・・・」

蘭「・・・あと?」

陽「蘭さんが胸を押し付けてきたお返しです・・・」


・・・・・・・・・


陽「な、何か言ってくださいよ」

蘭「か、」

陽「か?」

蘭「か~わ~い~い~~~~~!!」


陽葵かわいすぎ!!大好き!!あ~もうこの子絶対離さない!!


陽「も、もう蘭さん!ちょっとくっつきすぎですよ・・・!」

蘭「陽葵大好き!」

陽「・・・僕も大好きです(ボソッ)」


ああああああああああああああああ陽葵ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


蘭「陽葵ぁ~!」

陽「わわっ。そ、そろそろ着きますから!!」

蘭「ん?そうか・・・」


残念だなあ・・・まあ仕方ないか


陽「残念だなあ、じゃないですよ」

蘭「!!?」


ま、また陽葵に心を読まれた!!?


そのあとアイスを食べて解散した。

いや~、やっぱり32のアイスはおいしいなあ


―――――――――――――――――――――――――――――――――

~~お風呂上がり~~


ふ~今日は楽しかったなぁ

あと陽葵かわいかったし・・・


次はいつデートできるかなあ・・・


蘭「・・・ん?」


陽葵から電話の着信履歴?留守電は・・・入ってない。

なにか忘れ物したかな?


・・・まあRINEで聞けばいいか。


『電話気づかなくてごめん。どうしたの?』  2127

                2132  『ちょっと蘭さんの声が聴きたくて』

     

ひ、陽葵あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!


『いますぐ電話していい!?』  2132

                         2133  『え、、、はい』


よし電話だ!!


ちなみに陽葵の連絡先は電話もメールもRINE一番上に設定している。

まあ、当たり前だよね。


・・・コール中・・・・・・コール中・・・


陽『もしもし』


ゾクゾクゾクッ!


蘭「っっ!!!!?」


ガタンッ!


陽『大丈夫ですか?大きな音しましたけど・・・』

蘭「あ、ああ。大丈夫。ちょっと本落としちゃって」

陽『そうでしたか。怪我はありませんか?』

蘭「全然。どこも怪我はないよ」

陽『ならよかったです』


ふうぅぅ、ビックリしたぁ・・・

なんか背中が痺れたしそれにびっくりして腰打っちゃった・・・いたたた。

ただ、変な声を出さなかったことには自分をほめてあげたいな。


なんか陽葵と電話すると陽葵に耳元で囁かれてる気がする時があるんだよなぁ。

家族とするときはそんなこと絶対ないのに・・・


陽『今日はありがとうございました。楽しかったです』

蘭「私も楽しかったよ。いやぁ陽葵とお揃いか・・・うれしいなあ」

陽『僕もお揃いうれしいです』

蘭「でさ・・・次のデート、どこ行く?」

陽『どこにしましょうか・・・』


そのまま30分くらいお話しして、


蘭「じゃあ、おやすみ」

陽『おやすみなさい、蘭さん・・・大好きですよ』


はうぅぅぅぅっっっ!!!


蘭「うん、私も大好きだよ」

陽『じゃあ、おやすみなさい』

蘭「おやすみ」


これがお休み電話ってやつかあ。いいなあ・・・







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