EPISODE4 陽葵くんと休日デート 午前
皆さんはお買い物デートするとしたらどこに行きますか?
大型ショッピングモールや大丸・松〇屋、各企業の百貨店もいろいろありますよね。
因みに僕は近くのアリモ(実際はmを引きましょう)というショッピングモールです。どうもこんにちは
いま、僕と蘭さんは椿ヶ丘駅から都会の方向に3駅の所にある
・・・なんかこの言い方TVロケの導入みたいですね。
蘭「今日は何を買うんだ?」
陽「冬用の服一式と靴です。蘭さんにはコーディネートしてほしくて」
蘭「フフッ、お任せあれ」
執事さんみたいにキレイなお辞儀する蘭さん。
・・・正直とんでもなく似合ってます。
やっぱり蘭さんはイケメンです。イケメン過ぎ課です。
蘭「それで、お店はどこか決まってるのかい?」
陽「靴はABCモールで、服は『しまむろ』か『UNOQLI』によく行きますが・・・今日は蘭さんおススメのお店に行きたいです」
蘭「オーケー。靴は・・・よく知らないからABCモールに行こうか」
『ごめんね』と苦笑する蘭さん。そんな姿もイケメンです。
陽「了解です。じゃあ、ABCモールは・・・こっちですね」
ここから看板が見えたのですぐ見つけることができました。
蘭「今履いてる靴の種類って何?」
陽「
蘭「そっか。なら、メーカーは変えない方がいいかな?」
陽「いえ、その前はATMOMAXだったのでメーカーは特にこだわってませんよ」
蘭「あ、そうなの?それは知らなかったな・・・私と出会った時から陽葵はその靴だったし・・・」
陽「この靴はもう半年以上使ってますからね。蘭さんと出会ったのは2ヶ月前なので知らなくて当たり前ですよ」
逆に知ってたらビックリです。
蘭「ふふっ、そっか・・・新しいことを知れたな」
陽「嬉しそうですね」
蘭「そりゃあ、新しい陽葵を知れたからね。うれしい限りだよ」
・・・なんか照れてしまいますね。
蘭「お、もしかして照れてるのかい?・・・フフッ、かわいい・・・」
といいながら僕に頭ナデナデする蘭さん。
嬉しいやら恥ずかしいやらでさらに顔が熱くなんてしまいます・・・
周りの人になにやら温かい目で見られてる気がします!
あ~~、恥ずかしいですっ!
陽「そ、それより!蘭さんから見ていい靴ありますか?」
蘭「そうだな・・・私は運動用とか普段用とか使い分けてるけど、陽葵はそんなことしないんだろう?」
陽「はい。基本的にいつも同じ靴ですね」
蘭「なら、やっぱりNBが陽葵の雰囲気に一番合ってるんじゃないかな?」
陽「少し大人っぽい方がいいってことですか」
蘭「ああ、それもある」
なるほど、そうですか・・・
うん?それも?なら、他の理由が・・・?
陽「え~っと、『それも』ってことは何か他に理由があるってことですか?」
蘭「え?・・・あっ!?」
蘭さんが何やら『やっちゃった!』みたいな顔してますが・・・もしかして聞いてはいけないことだったのでしょうか…?
陽「・・・もしかして聞いちゃいけないことでしたか?」
蘭「あっあ~~、いや、そういうわけじゃなくて・・・その、個人的な理由というか、コーディネートに関係ないというか・・・」
ああ、なるほど。
『理由はほかにもある。だけど、僕に似合う云々の話じゃないから言わないようにしていた。でも、特に秘密にしたいものでもなかったからふとした瞬間に言っちゃった』・・・といったところでしょうか?
う~ん、一度理由を聞いてみましょう。蘭さんは嫌なら嫌という人ですから。
陽「蘭さん。その理由というのは聞いてもいいことですか?」
蘭「・・・今の私の普段用の靴がNBなんだ。だから、陽葵もNBにしてくれると私とお揃いなんだよ。でも、それは陽葵のコーディネートとは関係な―――」
陽「よしNBにしましょう!蘭さんの履いてるものを教えてください!」
幸せは歩いてこない!自らの手でつかみ取るしかない!つまり善は急げ!
ってことです(?)。
蘭「陽葵!?だからお揃いはコーディネートとは関係ないんだよ!?」
陽「蘭さんから見てもNBは似合うんでしょう?」
蘭「あ、ああ。もちろん」
陽「それで蘭さんとお揃いならNB以外の選択肢はありません!」
蘭さんとおっ揃い!蘭さんとおっ揃い!
僕はルンルンでNBの売り場に向かいます。
蘭「本当にNBでいいのか?」
陽「いいえ、蘭さん。NBがいいんです」
蘭「そっか・・・陽葵とお揃いか。嬉しいな」
陽「僕も嬉しいです!」
ということでNBの売り場に来ました。
NBのスニーカーやランニングシューズは2~4桁の数字で大きく区別されていて、そこから派生形には数字の前後にアルファベットや数字が付きます。
蘭「靴のサイズ教えてくれる?」
陽「26cmです」
蘭「ありがとう。・・・陽葵の靴は26cm・・・26cm・・・うん、よし。覚えた」
陽「蘭さん?どうしました?」
蘭「あ、いや、なんでもないよ」
現在僕が履いてるのは確か574です。同じものでもいいのですが、蘭さんが『折角だから私が選びたい!』とのことなので蘭さんに選んでもらいます。
蘭「似合いそうなものを選んできたよ。あ、ちなみに予算は?」
陽「2万円以内ですね」
蘭「おお、結構お金かけるんだね」
陽「靴と鞄は高くても良いものを買いたいんです。僕のこだわりです」
蘭「なるほど。一理あるね。あ、そこ座っててくれる?靴持ってくるから」
陽「わかりました」
蘭さんはどんな靴を持ってきてくれるのでしょうか?楽しみです!
蘭「陽葵!持ってきたよ!私が思う陽葵に合うのはこれだ!」
陽「え~っと・・・M2002R、ですか?」
蘭「ああ。これは普段使いもスポーツもできて、私もこれを履いてる―――」
陽「レジに行きましょう」
値段は範囲内!財布の準備ヨシ!
蘭「決断が早いな!?」
陽「蘭さんとお揃いなら断る理由はありません!」
蘭「・・・そんなに私とお揃いがいいのか?」
陽「はい!だって、蘭さんともっと近づける気がして」
蘭「!そ・・・っか。本当に、陽葵は私をドキドキさせるのが上手いな・・・っと、ちょっと待った。一応足に合わせよう」
陽「あ、そうですね」
そういえば忘れてました。危ない危ない。
蘭「履かせてあげるから、そのまま座っていてね。」
陽「え!?履かせるって―――」
蘭「よいしょっと」
蘭さんが僕の目の前にしゃがみ込んで、王子様がシンデレラにガラス靴を履かせるように僕の足に合わせてくれます。な、なんかドキドキします・・・こういうシチュに憧れたことなんてないはずなのに・・・
蘭「・・・うん。いい感じだね。よし、もういいよ」
陽「は、はぃぃぃぃ」
なんかすっごいドキドキしますよぉぉぉ。あああああああああ蘭さんイケメンすぎでしょ大好きです!!
蘭「ふふっ、お姫様になってみてどうだった?」
陽「恥ずかしすぎますよぉぉぉぉぉぉ・・・」
顔が真っ赤になってる気がします。というか絶対なってます!
しかも周りの人のとっても生温かい視線が凄く恥ずかしいです!恥ずかしすぎて顔が上げられません!
陽「ちょっと落ち着かせてください・・・」
蘭「ふふっ、いいよ。おいで?」
陽「えっ、あっ」
ぎゅっ・・・
陽「~~~~~っ!!!!!!」
蘭「よしよし・・・」
蘭さんの胸に顔を埋められながら、頭ナデナデされてしまっています。
蘭さんはイケメンであるだけでなく母性もあるのです。もう蘭さんより理想的な女性いないでしょ。もちろん異論は認めますけど。
なんかもう恥ずかしさとか嬉しさとかがいろいろ天元突破して、逆に落ちついてきました。・・・頭だけは。今も心臓はバックバクですし顔の熱も引いてません。でも頭は落ち着いているので『!』がありません。
すうううぅぅぅぅぅ・・・はあああぁぁぁぁぁぁ・・・よし!もう大丈夫です。
陽「もう大丈夫です。ありがとうございました」
蘭「そう?ほんとにもういい?」
陽「これ以上は心臓が持たないので大丈夫ですはい。レジ行きましょうレジ」
蘭「そっか・・・残念」
僕は足早にレジに向かいます。
店「お待たせしました。こちら一点でよろしかったですか?」
陽「はい。お願いします」
店「こちら一点で13,090円になります」
陽「15,100円で」
店「15,100円からお預かりします。2010円とレシートのお返しになります。お買上げありがとうございました!」
ということで、蘭さんと色違いのスニーカーを買いました。
なぜ色は違うのかって?蘭さんの履いている靴の色が僕に似合わな過ぎたからです。
こればっかりは仕方がないです。
―――――
蘭「そろそろ昼ご飯にしようか。」
陽「え、あ、ほんとだ。もうお昼だ。そうですね、食べましょう。どこにします?」
蘭「そうだなあ・・・ここから近いし、フードコートでいいんじゃないか?」
陽「そうしましょうか。蘭さんに奢れなくなっちゃいますが・・・」
蘭「自分の昼ご飯代くらい自分で出すよ」
蘭さんに苦笑いされてしまいました。
実は両親から『蘭ちゃんに奢ってあげなさい』ってデートの軍資金を渡されてるんですよね・・・確かアイスクリームが好きだと言ってましたし、フードコート内に31アイスクリームがあるので食後のデザートをプレゼントしたいですね。
蘭「陽葵は何を食べるんだ?」
陽「う~ん・・・今日はぶっかけうどんにします」
蘭「ヘルシーだね・・・うどんはよく食べるの?」
陽「そうですね。フードコートで食べるならうどん一択です」
うどんは、安い・美味しい・健康にいい、の三拍子が揃う外食コスパ最強の食べ物ですからね。ただし、かけうどん等のシンプルなものに限られますが。
蘭「・・・陽葵の体系維持の秘密をひとつ知った気がする」
陽「いやいや体系維持とかそんな意味はないですよ?」
蘭「もちろんわかってるよ。でも太りにくい食べ物であることは間違いない。よし、私も今日はうどんにしようかな。食べ応えがあるうどんってある?」
食べ応えのあるうどん、食べ応えのあるうどん・・・う~ん
うどん自体そんなに食べ応えがある食べ物じゃありませんからね。
陽「う~ん、うどんだけでは厳しいかもしれませんよ?単純に量を増やすとか、うどんをシンプルなものにして、ご飯ものを頼むのもいいと思います。」
蘭「なるほどね。う~ん、どうしよう・・・」
陽「あ、でも蘭さんネギ大丈夫ですよね?」
蘭「うん?ああ。割と好きだよ」
それであれば《《アレ》がありますね。
陽「なら、ネギ豚塩うどんがありますよ。珍しいがっつり系のうどんなんです」
蘭「へぇぇ、ネギ豚?そんなのがあるんだ。なら、それにしようかな」
陽「じゃあ行きましょうか」
蘭「まだ並んでないよね?」
陽「流石に11:20ですしそんなに並んでいないと思いますよ?」
・・・えっもしかして今のフラグになりました?そんなことないですよね!?
変な理由で内心ドキドキしながらうどん屋さんに向かいます。
いっぱい並んでは・・・いませんね。並んではいますが数人程度です。
陽「(よかった・・・)」
蘭「何か言った?」
陽「い、いえ!なんでも」
蘭「そうか・・・?」
揚げ物やおにぎりが並んでいるカウンターに、トレーを持ちお皿とお箸を載せて並びます。
僕は自分的にコスパ最強のかき揚げをいつも頼みます。
やっぱりコスパ最強は野菜かき揚げですよね?そうですよね?そうだと言いなさい!なんてことは言いませんよ?ゲソ天もコスパかなりいいですし。
でも僕はかき揚げだなあ。
そういえば『〇亀うどん』とか『はな〇うどん』とか、うどんチェーン店って座席のあるなしに関わらずどこもこのカウンター式ですよね。
やっぱり一番効率的なんですかね。
店「ご注文どうぞ!」
陽「ぶっかけ
店「冷ぶっかけの並1!ご注文どうぞ!」
蘭「ネギ豚うどんの大1つ」
店「はい!ネギ豚大1!熱いのでお気をつけて!」
たまたま近くの席が空いていたので、そこでうどんをすすります。
蘭「おお、おいしいな」
陽「お気に召しました?」
蘭「ああ。食べ応えはしっかりあるのに罪悪感がない絶妙ラインだな。正直、うどんをちょっと舐めてた」
陽「気に入ってもらえて何よりです!」
・・・僕が誇るところではないですね。
蘭「陽葵は注文がもう常連だったな」
陽「実際ここに来たら必ずと言っていいほどここで食べますからね」
蘭「そうなのか。じゃあ、何十回も注文してるわけだ」
陽「はい!今日はいませんでしたけどここで働いでいるおじさんには何人か覚えられていますよ!」
蘭「そんなに!?は~、でもそこまで繰り返したらそりゃ効率化されるな」
陽「そうですね。勝手に言えるようになってました」
蘭「そっかぁ。そういうのなんか憧れるなあ」
そこからはもくもくとうどんを啜ります。
蘭「はぁ~~、おいしかった。いや~、大満足だ!」
陽「それは良かった」
さて、このまま買い物が再開しそうな雰囲気ですがデザートはどうしましょう。
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