ストーリー

失恋したのがきっかけで、新しい出会いがあり、夢中になれる人物に出会うこともあるという希望に気付かされます。
雨が降っている時に読むとさらに伝わってくるものがあるので、是非雨の日にご一読なさって下さい。

恋人と別れて傷心気味の書店員、有井日菜乃(ありいひなの)は、友人から気晴らしに2.5次元の舞台に誘われた。
その舞台に出演していた舞台俳優、成川涼晴(なるかわりょうせい)と握手会で会話してから日菜乃は彼のファンになる。
ファンとして交友を深めていく二人。天然でドジなところがファンに受けている涼晴だが、俳優の彼には一抹の影が……。

メインの登場人物である日菜乃と涼晴の人柄が可愛くてマジメで誠実であったりと、素直に応援したくなる人物像で描かれています。
書店員で本が好きな日菜乃の内面描写が丁寧で、悩んだり楽しかったりという思いがまっすぐ伝わってきます。

ときどきハッとさせられるような一文があ…続きを読む

「雨」の使い方が、印象的な作品です。
後半になるにつれて、この物語の繊細な手触りが、だんだんと伝わってきます。

どこか自分と同じものが、主人公たちの中にも響いている。
そんな気持ちになる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。