第23話 桜の花が舞えば入学式……(5)

「ああ、本当に綺麗で素敵だね。君のことを優しく覆う。ソメイヨシノの花弁と君はね……。僕はついついと、君の笑顔と桜の花弁が舞う麗しさに対して見惚れてしまったよ。それももね……」と声がしたから。


「えっ!」とね。


 そう、自身の両目を大きく開け──。


 驚きを隠せない表情をしている、私山下光流の様子を窺えばわかる通りだ。


 私は、自身の口から『ソメイヨシノの花弁って、なんて綺麗なのだろう。素敵だな……』と、独り言を呟こうとしたら、男子の声……。


 それも?


 何処かで聞き覚えのある声音がしたの。


 だから私山下光流は声がした方へと視線を変えてみた。


 すると私の口が直ぐに開いて。


「あっ!」と驚嘆が漏れる。


 まあ、当たり前にね。


(お願い)


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