第22話 桜の花が舞えば入学式……(4)

 私は背伸びをしながら。


『ブゥ、ブゥ』と豚さんのように不満に思っていると。


 何故か、私山下光流の頭上で咲いている、桜の花弁が、更に強い春風に吹かれ、ヒラヒラと多々、舞い落ちてきたの。


 そうまるで私の叫び声と、手振りとね。


 今日から中学生になるからと。


 少しばかり背伸びをして。


 両親へと生意気なこと。


 反抗期を魅せる。


 私山下光流の態度へと。


 反応でもしたのではないか? と思えるぐらい。


 私の頭上に咲く、ソメイヨシノの木の花弁が、ヒラヒラと生暖かい春風と共に、沢山舞い落ちてくる。


 だから私山下光流の容姿は桜の精の如く。


 自身の身体が桜の花弁の舞う中で覆われ──幻想的な世界観を創作してしまったから。


 私山下光流は自然と上空を眺めるように顔を上げてしまう。


 そして顔を上げれば。


 自身の口からは自然と言葉を漏らしてしまう……。



(お願い)


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