第24話 桜の花が舞えば入学式……(6)

 だからまた、当たり前のように。


「やぁ、久し振りだね。桃の精霊さん……。また会えたね」と彼優しく微笑んでくれたのだ。


 そう以前、【桃の花】と【早咲き桜の花】の並木の下で会った麗しい彼……。


 そう、二度目の出会いの時は、私山下光流へと魔王の如き所業で悪態をつき、接してきた。


 大変に自己中心的で、生意気な口調……。


 私山下光流を侮り、蔑み、嘲笑いながら、悪態をついてきた彼……。


 あの、小憎らしい男の子がね。


【早咲き桜】の木の下で彼と、二度目の再会を果たした時とは、また違う様子……。


 そう、私山下光流と最初に、【桃の木】の下で会った時のような。


 神さまや仏さまのように。


 彼は優しく微笑みながら、話しかけてくれた。


 でも、私山下光流は、あの時に彼からさんざん悪態をつかれているから。


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