第16話 早咲き桜が咲けば(12)

 それも最後には彼──。


 本当に大袈裟なぐらいのジェスチャー……。


 私の目の前で、身振り手振りで高笑い。


 自身のお腹を抱えながら。


「わっ、はははっ。お前、たいして可愛くもない癖に。良くもまぁ、俺のことをぬけぬけと逆ナンパしてきたなぁ~。わっ、はははっ」と。


 桃の精霊さまのような彼……じゃない。


 いや、違う!


 そう!


 このクソ男子!


 クソガキが!


 私山下光流に対してね。


 余りに嘲笑いと暴言を吐くから。


 私の顔は赤鬼さまのように真っ赤に染まるのだ。


 でっ、染まれば。


 今度は私の頭の頂上から『ドカーン!』と火山噴火──。


 自身の脳内で。


〈ドカーン!〉


〈バーン!〉


〈ドーン!〉と。


 大変によい爆発音が響けば。


 その後は溶岩がタラリと流れ、垂れ落ちるから。


(お願い)


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