第15話 早咲き桜が咲けば(11)

 桃の精や神さまのようだった彼はやはり。


 魔王や悪魔のように自身の口の端を吊り上げ。


 私に対して薄ら笑いを浮かべながら。


『えっ、へっへへ』と。


 彼はよくある恋愛、ラブコメのマンガ、ライトノベルのツンなヒーロー達みたいな台詞……。


 そう、物語のワンシーンのように、私山下光流のことを嘲笑うように告げてくる。


 でも彼の魔王の如き振る舞い。


 私への暴言は未だ収まることはなく。


「……でもな、馴れ馴れしいお前? この俺様と仲良くなって。L〇NEの番号を俺から訊ねようとしても無駄だからな。俺のL〇NEは家の学校の女子達の番号で一杯だから。俺自身がもうこれ以上L〇NEの友達登録を増やす気はないからな」と。


 彼は私のことを侮りながら、ケラケラ笑い告げ、悪態をついてきた。


(お願い)


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