第10話 早咲き桜が咲けば(6)

 私山下光流が天から舞い降りた、神さまや仏さまと勘違いをしてしまうほど麗しかった彼のことを思い出し。


(そう言えば私……。あれほど彼とお話しをしていたのに。彼が何処にすんでいる人なのか。何処の中学校へと通われているのか。何年生なのかを訊ねることを忘れていたな……)と。


 私は自身の脳裏で呟き。


 私山下光流に対して優しく微笑んでくれた、麗しい彼は元気にしているかな? と。


 私がついついとあの時のことを思い出しては。


 自身脳裏で呟いてしまうほど。


【早咲き桜】の並木の花達は。


 本当に綺麗に色づき。


 私を魅了してくれるから。


「わぁ~、凄い。凄い~」、


「本当に綺麗。綺麗だね~。早咲き桜の花や花弁は~」、


「特に花弁が~、風で散り。舞う時なんてぇ~。まるで蝶が飛び、舞っているみたいでぇ~。本当に~。綺麗。綺麗だぁ~」と。



(お願い)


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