第4話

◇◇~イサム・ベルーダ~


俺、勇者とほかの仲間たちはここ魔物の森へと来ている。


あ、ミレイヤとかいう自称聖女は置いてきたか、ハハハ。


まぁそんなことはどうでもいい、魔物の森にはそれはそれはもう一般人には手を出せないほど強い魔物がうじゃうじゃいる。

例えば、そうグリフォンやヒュドラとかだな。

そういう魔物を倒してこそ俺たちは最強になれるというものだ。

俺は勇んで森の中を突き進んで行った。


エルダやノッチは俺の速度に合わせて歩くことが困難らしそうだがそれぐらいは慣れてもらわないと困るな。

俺たちはこれから世界を救うんだから。


どれだけ進んだかはわからない、というか覚えていない。

一応エルダとノッチは付いて来ているようだが息も切れ切れといった様子だ。


チッ、使えない奴らだぜ、というかいつもならもっと体力があった気がするがまぁ、いい。


この際俺の強さを示しておくのも悪くないな。


「おい、エルダ近くにいるできるだけ強い魔物の場所を教えろ。俺の強さを見せてやるからよ。」


エルダはさもめんどくさそうにしながらも答えた。


「嫌だ。まず第一に俺らが疲弊しているのがわからないのか?次にもしものことがあったら俺がどうなるかわからない、以上だ。」


フンッ、頭が固い奴だ。俺が魔物ごときに負けるはずがないだろうに。

ただこいつがそう言うのならこっちだって対抗させてもらう。


「そうか、ならいい。お前みたいな人材はいらない。」


「は?お前自分が何を言ってるのかわかってるのか?仮にでも俺らは仲間なんだぞ?」


仲間、か。おもしろい、笑わせてくれるな。


「仲間っていうのは対等な関係だろ?でも俺たちの関係は違う。俺が圧倒的に強すぎるからな。」


エルダの顔は傑作だな。なんだあの驚いた顔は。


「まさか、お前がそこまで腐ってるやつだとは思っていなかったよ。」


何を言ってるんだこいつは。当たり前だろう、俺たちの関係が平等なわけないじゃないか。

何が腐っているだ、今すぐこの勇者パーティーから追放してもいいんだぞ。


「何を言っているんだ、お前は。俺の力が圧倒的だからしょうがないじゃないか。しかも、俺は王族に好かれている。その意味がわかるか?」


そう、俺には王族という名の後ろ盾があるんだよ。


「そうか、じゃあ俺をパーティーから追放したらどうだ?お前だけで戦っていけるとは思わないがな。」


確かに、こいつの言う通り、魔術師がパーティーから抜けるというのはかなりの痛手だろう。

でも、大丈夫。変わりはいくらでもいるんだよ。


そんなことすら考えられないとはな。


「じゃあわかった。エルダ、お前を追放する。最もお前がここから帰れたらの話だがな。」


勇者パーティーから追放されるのは中々ないことなんだぞ。

どんな理由であったとして、民衆から後ろ指を指される。



もうこのままメンバーを一新したほうがいいかもしれない。

特にあの今のところ何の役にも立っていないあの聖女も追放したほうが都合がいい。

しかももっと従順で質の高い回復役ヒーラーを雇ったほうが絶対にいい。


俺はそのように考えながら次にすることを計画するのだった。


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