第5話

◇◇~ミレイヤ・クラリス~

私は大して変わらない日常に飽き飽きしながらも一応勇者パーティーの一員として様々な街に派遣されていました。


と言っても私が戦闘で役に立つことはやはり中々ないようです。

でもそんな私が街に派遣されているとたぶん


「こいつ、何やってんだろ?」


とか思われるかもしれない。そういう風に思われるのは嫌だし、何よりも私が暇です。

そういうことで私は街の教会に行き、病人の世話などをするという日々を送っていました。



……――……

そんなある日のことです。

急に勇者パーティーの全員が王城の中の宮殿に召集されました。


一応、作戦会議などはしたことがありますがその時は王城の空いている個室などでした。


いきなりのことで驚きましたが勇者というものに関心が薄くなっていたので特に何かするわけでもなく、私は召集場所へと移動することにしました。




勇者パーティーの全員が呼ばれているはずですが賢者のエルダの姿が見当たりません。

しかもノッチは息切れしている様子です。見るからに疲れているのがわかります。

そんな中で勇者のイサムだけは堂々としています。

どういう状況なのでしょうか。さっぱりわかりません。


「ようやく来たか。遅いぞ、もっと早く来いよ。」


この勇者は何様のつもりなのでしょうか。腹が立ちますけど今はそんなことはどうでもいい。


「で、何の用ですか?」


「お前、そんなのもわからないのか?」


そりゃまぁわからないから聞いてるんですけど。


「わからないですね、ごめんなさい。」


「フッ、マジかよ。こんなんだから役立たずは嫌なんだよな~。」


いつも通りのいじりですか?めんどくさい。こんなことなら来なかったらよかったなー、とか思い出しながらイサムの話を聞いていた。


「まぁそんなことは今はどうでもいい。俺がお前らを呼んだのはそんなことを言うためじゃないからな。感謝しろよ?」


一々、なんなんでしょうか。ムカつきます。早く本題に入ってくださいよ。


「あー、急なんだがお前とエルダを勇者パーティーから追放することにした。」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る