第2話

◇◇~ミレイヤ・クラリス~


私たち勇者パーティーのメンバーは15歳になって魔王軍との本格的な戦いが始まりました。

私たちは10歳のころから訓練を受けてきたためそこら辺の魔物には遅れを取らず、余裕を持って処理できるようになっていたのです。

そのためでしょうか、私たちは魔王軍の手下、魔人を瞬殺することができたのです。

しかし、この魔人たちが魔王の囮、捨て駒だということを私たちが知るのはもっと後のことになります。

そう、もっと早くに気づいていればこんなことにはならなかったでしょう。



……――……

ある日、いつものように私たちのもとにまた魔人が出現したとの報告が入ってきました。

こんどの街は地方だから出発に余裕はなく、私たちは即座に馬車に乗り込み現場に向かいました。


しかし、現場に着いたのは2時間後ぐらいだったので、もう大体のことは終わっていました。街は多少の被害は受けたものの、その場に居合わせた冒険者たちが力を合わせて大半の魔人を倒していました。


私たちは助けは要らなかったと思いますが仕事なので残りの残党を処理しました。

いつもそうですが勇者のイサムや賢者のエルダ、守護者のノッチはそれぞれ前線で戦っていますが、やはり私の出番はないようです。


最近だと暇過ぎて強化魔法を習って掛けたりしていますが彼らは気づいていないでしょう。


今回の戦いの後も今代のイサムが強いのか魔人が弱いのか、みんなは圧勝して怪我すらしまていませんでした。

怪我をしないことはすごく良いことですが、なんだか私だけが劣っているような気がしてたまりません。


そして、戦いの後は毎回居酒屋で大体打ち上げ兼反省会をします。

最近ではイサムが自分の力に酔いしれてただただ自分の活躍ぶりを自慢するだけになっていましたが。


「俺の剣であの魔人を真っ二つだぜw?もう俺だけで魔王なんて倒せるんじゃないか?」


すごい、ここまでわかりやすく調子に乗れる人っているんですね。

他のメンバーも一応イサムが強いのも事実なので何も言っていないがあまり気分が良いものではないのがヒシヒシと感じ取れる。

更にはこんなことも言い出したのだ。


「っていうかミレイヤいらなくね?別に何もしてないし。正直俺らが怪我なんてするわけないでしょ。」


昔はこんなに攻撃的な性格ではなかったのに誰が彼をこんな風に変えてしまったのだろうか。


そこから彼は戦闘で何もしていない私に対して強く当たってくることが多くなった。


そしてイサムのせいで私は人鬱になり、レイヤにお世話になることになったのだ。



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