25膳目:平安時代のスイーツより(手抜き)椿餅
平安時代に貴族の間で食べられていた甘味料「
清少納言が『枕草子』の「あてなるもの」のなかで、「削り氷に
削り氷に甘葛をかけて金属のお椀に入れた物が上品だと言っています。
奈良女子大学でその甘葛の研究をされていて、『古典がおいしい平安時代のスイーツ』前川佳代、宍戸香美・著という一般向けの料理本を出しています。
興味があった私は、それを参考にしていくつか作ってみたりして楽しんでいました。
▼甘葛事始:甘葛を蘇らせようプロジェクトのサイト
https://ama-zura-tukurou.themedia.jp/
上記のサイトによると、甘葛は、作るのにものすごく手間暇がかかるようです。
野山で適したツタを見つけて切って葉を落とし、小さく切りそろえます。
片方の切り口を口にくわえて息を吹きかけて、中にある甘い雫が吹き出るのを袋などに受けて集めるとのこと。
一滴ずつしか得られない貴重な甘味料だったので、上級貴族の口にしか入らないものだったのですね。
当然、今は甘葛が手に入るわけではありませんから、代用のシロップで作ります。
(甘葛の成分を再現した「あまずらシロップ」が一部で販売開始したと聞きました)
その上、私の再現「椿餅」は、本家のレシピを無視した簡単手抜きの作り方ですので、平安気分を味わう現代スイーツという感じかもしれません。
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【(手抜き)椿餅】
近況ノートに写真があります。
https://kakuyomu.jp/users/kukiha/news/16817330667693963439
▼4個分▼
赤飯パック 1パック(160~200g)
砂糖シロップ大さじ2杯
(水50g 三温糖 大さじ2杯)
椿の葉、椿餅1個当たり2枚
▼作り方▼
1)椿の葉は、よく洗い水気をふきとっておく
2) 小鍋に砂糖と水を入れて火にかけて沸騰させ、約1分加熱してシロップを作る
3) 耐熱容器に赤飯をちぎって入れ、砂糖シロップを振りかける
4)ラップをして、電子レンジ500wで約2分半(600wは2分)加熱する。
5)赤飯をボウルに移し、麺棒の先などで突いて潰す(半殺し)
6)赤飯を4つに分け、軽く水をつけた手で俵型にまとめ、椿の葉で上下から挟む。
※近況ノートの写真は椿の葉が足りなかったので、足りないものには白胡麻をトッピングしています。 椿の葉は食べられません。
【メモ】
椿餅は、源氏物語の若菜上の巻に出てきます。
光源氏の邸宅で、若い貴族たちを招いて
それを、正妻になった女三宮が御簾の向こうからのぞいていました。
そこに、飼っていた猫がじゃれついて、御簾を乱してしまいます。
その時、柏木が透き間から女三宮の姿を垣間見て、その姿に恋い焦がれてしまいます。
そんなことがあった蹴鞠の後で、果物やお菓子などが振る舞われ、公達たちが円座に座って、椿餅を食べながら談笑します。
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