恐山トリップ 2
はい、なんやかんやいろいろと問題はありましたが、そんなものはすべからく超法規的にぶっちぎって出発した我々が向かいましたるは、そう皆様ご存知の青森県は下北半島。
いや、すみません。
ちょっと先走りました。
知らない方のために土地情報などここでひとつ。
えっと、じゃあ皆さん、両手を垂直にあげてぇ
右手グーにしてちょっと下げてぇ
そんで左手は伸ばしたまま手首内側に曲げてぇ
はいッ、止めてッ!
はいッ、あなたいま青森県。
で、左手が下北半島。
で、手首の中心あたりが恐山。
Do You understand ?
はい、すみません……ふざけましたぁ (=゚ω゚)ノぺろ
というわけでまずはやってきました、横浜町。
説明しよう!
横浜町とは下北半島根元のの
春になると見渡す限りに咲き誇る絶景の菜の花畑は全国的にも有名。
さあ、ここにまず第一のD君おすすめスポットがありました。
D君は関西人の特徴なのか(関西の方、なんかスミマセン)細かいお得情報収集というベテラン主婦のような特技を持っていた。
「なあ、知っとるかぁ?
いや、知らん……わ……というかケツ痛くてそれどころじゃねえ。
外は晴天。
窓は全開(あ、ちなみにこのジムニーくん、エアコンなんてそんな小洒落たもの付いてません)
吹き入る風にサラサラヘアをなびかせるS君。
そして鼻歌混じりに超ご機嫌で運転をするD君とは対照的に荷台の奴隷二人は数時間にも及ぶ持続的な微振動、時折訪れる急ブレーキ、急発進、急カーブそして踏切や悪路面などの段差における自由他力型跳躍の結果、もうすでに廃人の様相に成り果てていたのでした。
その苦行を共にしてきたK君などは途中でなにかいい知れぬ清き境地を悟ったようで、本来は尻に敷くべきである薄座布団を正座した膝の上に置き、やや頬を緩ませながら「もうなんか楽しくなってきたね」などと宣う始末。
おいK君、しっかりしろ。
生きて帰ろう。こんなところで死ねるものか。
そういえば俺たちには前期テストで成績がイマイチだった科目の補修があるじゃないか。なあ、こんなところで尽き果ててどうする。生き残ってあの詰まらない補修を一緒に受けようじゃないか。
そんな切実な励ましが功を奏したのか、那智とK君はおからドーナツとやらが有名な湧水亭になんとか命を繋げてたどり着いたのでした。
つづく
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