第ニ譚 これぞ異世界

______________________________________

「報告あり。あなたは個体名『ヨルムンガンド』によって捕食されました。」


は?


色がたくさんあったところで聞いた声と全く同じ声が俺に無情な現実を突きつける。


(その言葉から察するに・・・もしかして俺死んだ?)


「はい。大音声を発したことにより、超感知スキルを持つ蛇魔だま種にストレスを与える物と認識されたことが原因です。」


(蛇魔?)


「あなたの知識の中で例えれば蛇に該当します。しかし通常の蛇とは体積が千倍以上異なり、鱗の硬度は約数万倍ですので、討伐は困難です。」


(討伐させる気ある?それ。)


「いいえ。暇を持て余した蛇神の戯れで創られたとはいえ神獣ですので現時点での討伐は不可能と判断してよいでしょう。」


まじかよ蛇神最悪だな。

そしてこの声とは一応会話はできるらしい。


(俺の能力的な何かなんだろうか?)


「・・・めんど」


(あんた今めんどいって言ったか?)


「質問は終了したと判断しました。」


(は?おいおいまてまて!聞きたいことがたくさん・・・)


「・・・器の破損を確認。修復は不可能と判断。再度コネクトを試みます。」


(話聞けや!)

誰だよ会話できるとか言った奴は!会話のドッジボールすらできてねぇじゃねぇか!

壁に向かって話しかけてるような気分だ!


「コネクト。」


その言葉と共に俺の意識はまた闇に呑まれた。

______________________________________

ん・・・・頭いってぇ・・・


脳をナイフで刺し貫かれたかのような痛みに多少は悶絶したが、すぐに我に返る。


「二度目・・・?」


(なんで二度目?俺死んだよね?普通死んだらそこで終わりじゃないのか?)


・・・疑問ではあるが、とりあえず今世は生きながらえたいと思う。もう死ぬのは御免・・・( ゚д゚)ハッ!

状況確認!


俺はさっき喰われたことで学びを得た。

享年数分にならないように警戒を怠らないことは大切だということ。それから安全確認の取れていない場所で無警戒で大きな声を出すと化け物が殺しにかかってくるということ。


「なんて恐ろしい世界だ・・・。」


呟いてはみるがその声は虚しく冷たい大理石の床を這うばかり。

薄暗くて荒れているが神様のような像もあるし今回のスタート地点はどうやら協会らしい。安全な場所を求めていた俺にとっては優良物件だ。

安全確認ができたから扉の横にぽつんと置かれた姿見の埃を拭って自分の姿を確認する。

・・・ありがたいことに今回はちゃんと人間だ。

真っ白な頭髪に空を思わせるような青い目。前々世ぜんぜんせの俺と見た目は似ても似つかないがザ・主人公って感じの見た目ですごくいい。それに・・・


「牙が生えてない・・・」


ゴブリンとかいう種族よりも圧倒的に便利に作られた人間の身体に感謝するとしよう。


「そうだ。思い出した。」


さっきはやり忘れてたけど多分異世界ならこれができるはずだ。


「ふっふっふ・・・」


俺がもし異世界に行ったらやりたかったこと。それが


「"ステータスオープン"」


これステータス確認だ。

大体の異世界ファンタジーにはこの言葉が出てくると言ってもいいくらいお決まりのセリフ。だがそれでいて重要な意味を持つ量産型の言葉。

異世界ファンタジーにおいてある程度のジンクスとして定着しつつあるこの言葉は自分の能力のチェックに必要不可欠なのである。

この言葉を発することで自分のステータスが確認できたりスキルポイントを割り振れたりする。古事記にもそう書いてあったはず・・・・


(ん?あれ?)


いくら待ってもステータス画面が表れない。


「・・・"ステータスオープン"」


もう一度やってみる。

だがいくら待ってもラノベのように自分の能力値が記された光るパネルは表れない。


「うっそだろおい・・・」


その後も何度か言ってはみたが、すべて同じ結果になった。

ステータスが見れない。

・・・見れない・・・そっか・・・

楽しみを一つ奪われた。法則という抵抗しようがない存在に。


「くそぅ・・・見れないタイプの異世界だったか・・・」


まあ仕方がないといえば仕方がない。

そんなタイプの異世界だってあると割り切るしかない。

未練なんてないよ。・・・ちょっとしか。

___数分後


「さて・・・そろそろ外に出ようか。」


ずっとここに引きこもるわけにもいかないしもう十分落ち込んだ。

まだやりたいことは残ってるし・・・まだ俺の異世界ライフは始まったばかりだし!希望はある!さあいざ外へ!


「そっと・・・そっと・・・」


とは言っても警戒をすることに代わりはない。前みたいにパックンチョされるのは御免だ。今度こそ俺は生きたい。


___数分後…

何事もなく入り口に着いた。何事もなさすぎてちょっと拍子抜けだ。荒れてるとはいえここが神聖な場所っていうのも関係してるんだろうか?ともあれ・・・


(よし・・・行くぞ!)


心の中で声を上げ、壊れた扉枠をくぐり抜ける。


外に出て初めに目に入った物。どうしても目につくそれは・・・


「目があぁぁぁぁぁ!!!」


・・・太陽光でした。

まさか人生の中でこのセリフをネタ抜きで吐くことになるとは思わなかったよ。


目を突き刺すかのような光に目を慣らしながら段々と目を開ける___


最初に見えたものは日差しを浴びて輝く見渡す限りの緑色。


耳を澄まさずともそこかしこから聞こえてくる鳥の囀り。


全てを包み込むかのように覆いかぶさる蒼穹。


空に絵の具でも落としたかのような白は柔らかな雲となって漂う。


青々とした葉を茂らせ、限りのない無限の生命力を感じさせる一本の大樹。


「これが異世界・・・」

正直ちょっとビビっている。

予想以上だよこれ。神グラとかたまに聞くけどそれの数倍綺麗だ。


「魔物代表のスライムさんもいるし俺が喰われたっていう蛇の化け物級の奴はいなさそうだし。めちゃくちゃいい立地なんじゃないか?」


(こういうのでいいんだよ・・・序盤から理不尽に見舞われるよりも終盤でその理不尽と戦う方が圧倒的にいいんだよ!)


しょっぱなから討伐不可能な化け物がいる場所で逃げ回るよりもこんなふうに平和なところで自分を強くする方がいい。当たり前だ。人生は鬼畜縛りプレイじゃないんだから。


そして、自己強化のためにもやるべきことが一つある。


「この先自分を強くするためにはたぶん避けては通れない道だしな。」


見たところ平和な場所で、その上THE序盤の魔物のスライム弱者がいる。それが示すことはただ一つ。


「レベル上げだ!」

______________________________________

「無事に成功したようね。あー疲れた。」

「他人事のように言ってますけど悪いのは姉上の方ですからね?」

「うるさいわよ。疲れてるんだから私の休息を妨げないで頂戴。」

「もう・・・姉上ったら。すぐぐうたらするんですから。」

「ぐうたらなんてしてないわよ失礼ね。毎日休息をとって何が悪いのよ。」

「それの行為はぐうたらという言葉に当てはまっていると思いませんか?」

「やることないんだもーん。おやすみー。」

「自分の部屋で寝てくださ・・・いっと。」

ぽいっ

「あねをなげるとはなにごとだー。しゃざいしろしゃざいー」

「ほーらまた面倒くさい奴が表面に・・・」

「おやすみー。」

「はいはい。せいぜい掃除当番に蹴り出されないように気をつけること。」

「んー」

______________________________________


閲覧数は伸びずとも少数の読者がいれば嬉しいと思う私、まくらなのでした。


相変わらず文章構成も甘いし本当にぐだぐだな作品ですねw


だれかに小説の書き方を教えてほしいです・・・。


相変わらず閲覧数はあまりないですが見てくれることに嬉しさを感じています。

みなさーん!私は嬉しいですよー!


ではまた次の機会に!よい睡眠を!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る