匂わせ

みずきは車で、創の家の近くまで送った。

「みずきさん、じゃぁね。…また、どっか行こ」

「うん」(もう、バイトで会わないけど…)「また。連絡する」

「うん」(また、会うの…?)

2人は手をふって別れた。


みずきは、車を走らせながら唸った。

「え〜?!ん~?」

それ以外の言葉が出てこない。

(嬉しいけど…、彼女と別れない方がいいみたいに言っちゃったよ…。終わった…。ま、いっか…)


それから約3週間後、創からラインが来た。 [この間は、ありがとう。楽しかったね]

(おっ…、おぉ…)

[こちらこそ、ありがとう。楽しかったね]

(同じ事書いて送っちゃったよ…)  

[今、何してるの?]

(おっ…、おぉ…。何これ…)

[今、友達の誕生日プレゼント買いに、イオンに来てる]

みずきは、そう返信したあと、後でゆっくり返そうと思って、携帯を鞄にしまって、買い物を続けた。

買い終わってラインをチェックした。

[俺も行っていい?]

(うおっ…)

[ごめん、もう買い物終わっちゃった]

[何で? わかった。じゃ、また]

[ごめんね]

(何で?って…何で?…。あー、ライン見ておけば良かったー。終わった…)

みずきは激しく後悔した。

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