四角い螺鈿螺旋

終戦の混乱期に置いても二片の会は機能していた。民が、軍が、政府が戦争へ向く中

まるで戦争でさえも意に介さないかの如く静かに密やかに活動していた。

戦後から復旧し日本が高度成長期を迎えた時期も緩やかに暗躍を進め

日本の歴代総理大臣に幾人の会員を送り込んでいた。政治家もしかりだが。

二片の会とは?

それはある種の異なる時間軸の構築といってもいいのかもしれない。

軋轢は一つの物からは生まれない。必ず二つ以上のモノで成り立つ。

戦争などには加担していないが必要不可欠とする信念、思想の元、

活動が行われてきた。正しその起源は今はもう誰も辿る事などできない。

回想するには時間が経ちすぎているからだ。

しかし現在ITなどの技術が発達し、ようやく精神、思想を具体化する準備が

整いつつあり、それを実行に移す祖の再誕の時は近い。

全ての生命の人知を超える存在がもう間もなく現れる。

二片の会、最老猛禽の鵜飼金光が灰になる日は近い。

急がねば!まだ私にはやるべき業が残されている。

そう思案しながら大量の医療機器に繋がれた鵜飼は気絶した。

続く、、、、、

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裏深き東温、改稿章四十六 石川タプナード雨郎 @kingcrimson1976

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