第6話

その後は、手を繋いだまま帰宅した。


特に、話は盛り上がることもなく。


でも、確かに真実に変化があった。


無表情ないつもの真実ではなく、顔を真っ赤にしている。


家の前までくると珍しく僕の手を彼女が振り払って真実の家へ駆けて行った。


そして、玄関を開けると真実は手を振って行ってしまった。


「あはは、真実。可愛いな」


僕は、そう口に出していた。


「あら、和弥くん」


僕の背後から声を掛けられた。


振り返ると、真実にそっくりな見た目だけど所々が違う女性が立っていた。


長い髪はウェーブのかかった黒髪で、真実と違ってとても胸が大きい。


彼女は、遠海 玲美。


真実の4つ上の姉で、大学2年生である。


「玲美姉、なんだか会うの久し振り」


「確かに・・・あれ?真実は?」


「告白したら顔真っ赤にして逃げられちゃいました」


「お、和弥くん。やるね。

あの子は、グイグイいかないとね。

これで、お姉ちゃんは安心だよ」


そういって、玲美姉は後ろで手を振りながら家の中に入っていった。


あれ?それにしても玲美姉・・・大学は?


まだ、昼前なんだけど。

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塩対応な幼馴染みの『塩分』を『糖分』に変える方法 天風 繋 @amkze

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