第5話

僕らは、学校を出て歩いていた。


もちろん、手は繋いだまま。


僕は、もう陰口を言われても絶対この手は離さない。


だって、大好きだし真実が嫌がってないことは分かったから。


「和弥」


「どうしたの?」


真実から話しかけてくれるのは珍しい。


いつもは、返事も素っ気ないのに。


「私の事好きなの?」


「好きだよ、だって子供の時に結婚の約束もしたでしょ」


「え・・・覚えて」


僕らは、幼稚園児の頃。


結婚の約束をした。


僕は、それをずっと覚えていた。


「忘れるわけないよ、ずっとずっと好きだったんだから。

だから、いくら素っ気無くてもずっと一緒にいるんだよ」


「・・・ありがとう」


僕は、僕の心を偽らない。


だって、真実の事が大好きだから。


「覚悟しててね、真実。

この夏休みは僕は積極的に行くからね」


「え!」


真実の顔は真っ赤になっていた。


いつもとは違う感情豊かな彼女に僕はドキドキしていた。


やっぱり、真実は可愛いな。

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