第44話頑張れアークちゃん
俺達メイドが用意された部屋に入れられると、他のメイド達がコソコソと話し始めた。
やれエリス様が可哀想だとか、王子の見た目批判やら、本当は今日帝国にすら来たくなかったなど、まぁそれもそうだなと言う内容だったが、このメイド達はよくそんな内容の話を相手方が用意して来た部屋で話せるな……
盗聴されてるとか思わんのか?
そんな訳で俺はその輪には入らず、扉の近くで来るかも分からない狙いの人物を待った。
それからどれほどの時間が経っただろうか、俺たちの居る部屋の外から何やら重厚感のある足音が聞こえて来た。
来たな!
その足音は俺達の部屋の扉の前で止まると、何の了解も無しにその扉を開いた。
その開かれた扉の隙間から見えたのは、身長は目算で160前後でたぬきの様に出ている腹に、キラリと輝く頭頂部の肌そんな、俺の目的の人物である帝国王子のディーブ王子だ。
そして俺はディーブ王子が入って来たのと同時に、わざとディーブ王子の方へとよろめき倒れたフリをして、ボディータッチをした。
「ご、ごめ……あ!違った、申し訳ありませんでした!」
「おいおい王国のメイドは教育がなってないのか?」
そうディーブ王子が文句を言うとメイド長が前に出て来て謝罪をし始めた。
「大変申し訳ありませんディーブ王子、こちらのメイドアークはまだまだ新人なもので……」
「申し訳ありません。ディーブ王子……僕なんでもするんで、メイド長の事を怒らないでください!」
「ほう何でもするねぇ……」
それを聞いたディーブ王子はいやらしい笑みを浮かべ、それを感じ取った俺は心の中でほくそ笑んだ。
「わかった。アークと言ったな、貴様がそこまで言うなら今の非礼許してやろう」
「「ありがとうございます」」
「ただしアーク貴様が今から俺の言う事を聞いてくれるのならな」
「な!?」
それを聞いたメイド長は驚いた顔で、少しディーブ王子を睨んだ。
いや〜本当メイド長は優しいな。
けどごめんね実は元々これが目的で、ディーブ王子にぶつかったから俺行って来まーす!
そんな訳で俺はディーブ王子に無理やり連れて行かれる形でその部屋を後にした。
そこからはディーブ王子は本当に残念な事に脳と下半身だ直結しているらしく、一切の寄り道無しに自室であろう場所に俺を案内して来た。
「さ、さぁここだ入れ」
「は、はい!」
そうして入れられた部屋には、幾つかの衣装と部屋の中心には巨大なベッドが1つあった。
な、なんだ!このヤル為にしか存在してないようなヤリ部屋は……
もうちょっと部屋の内装どうにかしろよ……
これじゃあムードもクソもなくてやる気なくなるだろ。
それともなんだ?ディーブ王子は嫌がる相手とヤルのが好きなのか?
終わってんな……
まぁそんな事どうでもいいか……
俺は部屋に入って来たディーブ王子の手を取ると、慣れた手つきでディーブ王子をベッドまで連れて行くと、そのままベッドの上に寝かしつけて、流れるようにシャツのボタンをひとつ、またひとつと外していった。
「ディーブ王子……♡」
「!?」
俺は顔を赤らめわざといやらしく吐息をディーブ王子の耳元で出していると、まさか自分が襲われる側だとは思っていなかったディーブ王子は驚き固まってしまった。
コイツ思ったよりも初心なのか?
今俺が流れるようにやった仕草は、ちょくちょく俺の部屋に夜這いをしにくるシャロがいつもやってくる動きで、俺は過去に何度か襲われかけた経験があるので、その経験を元に適当に見様見真似でやってみるのだが、これが結構効果的だと言う事がわかった。
そうか!ディーブ王子は基本モテないから、女に襲われそうになった経験がないのか!
「どうしたんですかぁ?ディーブ王子ぃ♡」
「…………」
俺が王子の開かれたシャツの隙間から手を突っ込み、腹から胸にかけて指でスゥーッと撫でると、王子はされるがままで完全に固まってしまった。
初めてラブホに来た童貞か!
そうツッコミたくなるほどディーブ王子は、本当にされるがままで、一切自分からこちらを触ろうともしてこない。
まぁそっちの方が俺的には楽だからいいんだけどさ……
なんか拍子抜けだな、結構王子対策持って来たけど、この感じだと一切使う所は無いだろうな。
そしてその後も甘々デレデレに王子を甘やかして、完全にディーブ王子が世界で一番可愛いアークちゃんに堕ちたと確信が持てたその瞬間、俺の作戦はフェーズ2へと移行する。
俺はたまたまを装ってディーブ王子に俺のイチモツを触らせた。
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