第30話痛い女アイリス
最初は体力測定から始まったのだが、俺達は全体的に魔法が得意or魔法が好きな為、全く記録は伸びずただ1人脳筋ゴリラな王子は、装備効果も相まってほぼ全ての記録で1位を取り、マッチョで白のバニーガールな王子が女子達から黄色い歓声をあげられる異常事態が起こっており、それを見て自分もバニーガール衣装を着ようかと本気で悩む男子生徒が数人現れた。
そしてやって来ました!
魔法測定!
魔法測定は大まかに分けると魔法威力と魔法操作と魔力総量の測定を行う。
魔法威力は的に向かって今出せる最大火力をぶつけて、それを教師が判断してランクが付けられ。
魔法操作は複数の魔法を同時に扱ったり、遠くにある的に魔法を当てたりして、これも教師が判断ランクを付けられる。
そして最後の魔力総量だが、これは魔力総量を測る機械がある為そに手を触れて、これはその機械がランクを付ける。
「それじゃあ俺は魔力総量からだから」
「シャロは魔法威力!」
「私もシャーロット様と同じく魔法威力からですね」
「俺とエリスは魔法操作だな」
「はい」
今回は結構バラけたな。
体力測定は男女で綺麗に別れていたが……
「今回は俺が1人か……」
「お兄様!シャロ先生に言ってお兄様と一緒にやらせてもらいます!」
「はいはい、そう言うのはダメですからね」
「あ〜!!!お兄様!」
そう言うとユウリは暴れるシャーロットを小脇に抱えて、魔法威力の測定会場へと向かった。
「それじゃあアクト俺達も行ってくるな」
「行って来ます」
「おう、いってら〜」
そう言ってキール王子とエリス様は仲良しそうに2人で話しながら、魔法操作の測定会場へと向かった。
そういやあんまり2人とアイリス様が一緒に居るの見た事無いけど、もしかしてあんまり仲良く無いのかな?
そんな事を考えながら俺は魔力総量を測定してくれる機械がある場所へと向かい、測定の順番待ちの列に並んだ。
「げっ!アクト=ホワイト!?」
「ん?」
俺の1つ前に並んでいた人に、いきなり呼び捨てで呼ばれ、失礼な奴だな……と思いながら名前を呼んだ人物の顔を見るとそれは、噂のアイリス様その人であった。
「あ、アイリス様じゃん!」
「ええい!貴様アクト=ホワイト!我がトワイライト王家を侵略する呪いの主が!」
「あれ?アイリス様まだ厨二病治ってないの?そろそろ恥ずかしくなる時期じゃ無いの?」
「うるさい!貴様のせいで兄上と姉上がおかしくなったんだ!」
アイリス様はそう言ってこちらを指刺して文句を言って来た。
「おいおい2人のどこがおかしいって言うんだよ。それとアイリス様人に指を刺すのは行儀が悪いですよ。もしそのまま指を刺し続けるのなら、その指舐めちゃいますよ」
俺がふざけてそう言うと、アイリス様は体を小刻みに震わせて、本気に嫌な顔をして一瞬で指を手元に戻した。
「キモい!死ね!」
「いや〜本当そうやって本気で嫌がってくれるアイリス様俺好きだよ」
「私は大嫌いだ!」
もし俺が今と同じ事をシャロやユウリに言ってしまうと、シャロは喜んで指を差し出して来るのに加えて、多分そのついでに俺の指を舐めて来ると思うし、ユウリは恥ずかしがりながらも多分舐めさせてはくれると思う……。
キール王子とエリス様はどうだろう?
多分王子は頭下げたら何だかんだ文句を言いながらも、舐めさせてくれると思う。
エリス様は…………あの人元メイドをやってた事もあって、押しにめちゃくちゃ弱いから絶対にしないけど、やろうと思えば多分あの人何でもしてくれると思う。
「あ!そういやずっと気になってたんだけどさ、アイリス様ってキール王子とエリス様とあんま仲良く無いの?俺あんまり2人と一緒に居るところ見た事ないけど。と言うかアイリス様が人と仲良くしてるところ見た事ないけど?」
「うるさい!誰のせいで兄上と姉上と一緒に居れないと思ってるんだ!」
「いや、誰って…………誰のせい?」
「貴様のせいだ!アクト=ホワイト!」
何故俺のせいなんだ?
「私は絶対に兄上や姉上みたいに貴様に陥落して、あんな変な服装には絶対にならない!」
「変な服装?」
「そうだ!何故貴様は男なのにメイド服……それも猫耳としっぽが付いてる服を着ている!変だろ!」
「でも性能はめちゃくちゃいいぞ?それにアイリス様も変な格好してるじゃん」
アイリス様の腕には何の意味もなく(謎の力を封印している)包帯を巻き、これまた何の意味もなく(邪龍を封印している)左目に眼帯を付けていて、そして最後に本当に何の意味もなく(何の意味もない)、少しボロボロな黒のローブを身に纏っていた。
「何処が変だ!かっこいいだろ!」
「いや、かっこいいのは認めるけど、それ何の意味も効果もないじゃん。眼帯にいたっては片目塞がるから付けない方がいいだろ」
「ち、ちがう!これは邪龍を封印してるんだ!これを外したら世界に最悪の邪龍が復活するんだ!」
「でもエリス様言ってたぞ、アイリス様お風呂入る時眼帯もその腕に巻いてる包帯も外してるって」
「うにゃぁぁぁぁぁぁ!!!!うっさい!死ね!死ねぇぇぇ!!!」
そう言うとアイリスは顔を真っ赤にしながらアクトの腹部を殴り付けた。
「あ、そうだ!アイリス様まだ何個か装備残ってるけどあげようか?アイリス様に似合うやつもあるけど」
「……私に似合うやつ?もしかして!かっこいい黒の……」
「そうそう黒の水着だね。ほら、その無駄にゴテゴテしてデカいローブから、黒の水着とアイリス様の白い肌がチラチラ見えるとエロくていいだろ!」
俺がそう言ってグッと親指を立てると、アイリス様はその格好を想像したのか、顔を茹でだこの様に真っ赤にさせて、少し涙目になりながら頬を膨らませ、思いっきり膝に蹴りを入れて来た。
そして俺は膝を抑えて静かに涙を流した。
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