第29話変態集団と測定会
結局解決策が思いつかぬまま、その後も何度か遠目に主人公を監視して居たが、チート魔法は使った様子は無くゲーム通りの行動を取っていた。
そんな事をしているある日
「はい、今日は魔力測定と体力測定を行いたいと思います」
来たな!最初のイベント
あんま詳しい事は覚えてないけど、確かこのイベントは主人公様のステータスの確認と名前のないチンピラ学生との、チュートリアル戦闘があったはず………………。
多分
だがすまんが今年は主人公様に構っている暇は無い。
去年は何の装備も無しに魔力測定を行なって、案の定散々な結果だったが、何とびっくり!今年からは補助を付けての魔法の行使が許可されたらしい。
いや〜何でだろうな?
俺が父上やキール王子を通して国王陛下に、素の力で測定する事も大切ですが、実戦では前もって色々準備する事を考慮して、何の補助もない状態とそれに追加して補助がある人は、補助ありでやった方が将来の為になると、謎理論を言いまくったからかな?
いや〜本当に何でだろうね?
そんな訳でやって来た測定会場
周りを見渡すとそのほとんどが指定の体操服を身に纏っているが、中には全身鎧姿の生徒や宝石が大量に散りばめられた杖を持った生徒や、他にも数人が何かしらを用意して来ていた。
だがそんな奴らよりも圧倒的に目を引く集団がいた。
1人は鍛え抜かれた肉体を見せびらかす様に白のバニーガール衣装を身に纏い、腰には金色に輝く大剣を刺したキール王子、そして男子達の視線を独り占めしている際どいチャイナ服を着て、生足を見せびらかしているシャーロット、我が攻略隊期待の新人の童貞を殺す為だけに作られたとしか思えない、背中がぱっくりと開いたセーターを恥ずかしそうに着るエリス様に、そしてそんな露出集団の中に1人一切の露出無しで逆に目立つ、ガチガチの着物を着ているユウリ。
そしてその集団の中で1番目立っているのが、黒の猫耳と猫しっぽをつけたミニスカートメイド服を着て、全ての指にゴテゴテの指輪を付け、両腕には大量の腕輪を付け、背中には合計で5本の杖を刺した男、アクト=ホワイトが堂々とした態度で、測定会場の端で仁王立ちしていた。
「あ、あのやっぱりわたしこの格好恥ずかしいですぅ……」
「エリス何度も言っているが、もっと日常的にその服を着て早く慣れろよ」
「で、でもぉ!」
「キール王子あんま無理強いするのは良くないんじゃ無いか?なぁシャロ?」
「お兄様の言う通り!エリスちゃんはお兄様から貰った服をもっと喜ぶべき!」
「シャーロット様、それは全然無理強いしてますよ……」
「でもユウリちゃんもお兄様から貰った物なら嬉しいでしょ?」
「それはもちろん当然ですね」
エリスはこの場に味方が居ないと分かると、分かりやすく項垂れた。
そんなこんな俺たちが生徒達からの視線を集めていると、準備ができた様で魔力測定と体力測定が始まった。
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