第25話努力の結果+キャラ紹介②

「到着!って今日は一段と人が多いな」

「それはそうだろう。今まで病気で床に伏してた第一王女様であるエリス=トワイライト様が完治したらしいからな。」

「へー」

「へーってお前な……」


そう声をかけて来たのは、王子に相応しい煌びやかな衣装を身に纏ったキール第一王子だった。


「と言うかシャーロットの奴はどこ言ったんだ?いっつもお前のあと付けてただろ?」

「ああ、シャロなら父上と一緒に母上の所に言ってるよ」

「お前は行かなくてよかったのか?」

「別に俺はいいかな……それより飯食いたかったし」

「本当お前はマイペースだな」


そんな風に2人で話していると、周りからのチラチラと見るような視線や、ジッとこちらを見つめるような視線をいくつも感じ取れた。


そしてそれに気がついたキール王子は、誰がどう見ても分かるような作り笑いと言う名の、王子様フェイスを作り視線の方へと軽く手を振っていた。


「王子も大変だな。そうやっていちいちファンサしなくちゃいけなくてな」

「ファンサ?」

「ああ、なんて言うか今お前がやったパフォーマンスみたいな物だよ」

「なるほどね。俺はそんなの全然気にならないな。それより逆にアクトはその辺気にしなさすぎじゃない?アクトって基本こう言う場所だといっつも静かだよな?」

「父上から、お前は公式の場では極力何もせず静かにしていろって言われてるし、何より面倒だからな。何でも出来る完璧超人なキール王子様」

「はいはいそうですか、クール系美少年のアクト様」


そうしてお互いに周りから付けられている変な二つ名っぽい物をお互いに言いやった。


「「俺はそんな変な名前で呼ばれてんのか?」」


お互いに意見があった事に、キール王子とアクトは顔を見合わせて笑った。


そんな事をしているといつの間にか時間は過ぎており、今回の主役でもあるエリス第一王女様が姿を現した。


その姿を見て今まで事情を知らず、そしてエリンを見た事のある者たちは少しざわついた。


「おー結構ザワついてんね」

「そうやってジロジロ見るのは趣味が悪いぞアクト」

「いや〜見てて面白いぞ。今まで自分より立場が下だと思って散々文句とか言ってた奴が、実は王族と知った時の絶望感……ほら見ろよあそこにいる小太りの奴地面に蹲って泣いてるぞ!」

「本当アクトお前はいい性格してんな」


それに軽く周りを見てみると、何人かのヒロインもしくはネームドキャラを発見して、やっぱり改めて自分の知っているキャラと言うか、人が居るとなんか興奮するな!


その後はエリス様に挨拶をしたり、飯を食ったり、令嬢に囲まれたから王子を生贄にして逃げたり、飯を食ったり、飯を食ったり、飯を食ったり飯を食っていた。


そんな訳で出された食事を貪り食っていると、挨拶を終えたエリス様に声をかけられた。


「アクト=ホワイト様少しよろしいですか?」

「ん?ああ、エリス様どうかしましたか?」


手に持っていたチキンを皿に乗せて振り返った。


「この度はありがとうございました。」


そう言うとエリス様は周りから見て違和感が無い程度頭を下げた。


「ん?何の事?今回の事なら途中茶々を入れてた俺じゃ無くてそれは、色々頑張ったキール王子に言ってあげた方が良いんじゃないの?」

「ですが、私に掛けられていた誤解を解いたのは、アクト様がおっしゃられた場所にあった証拠の数々のおかげで……」

「でもそんな俺の妄言みたいなのを信じて、動いたのはキール王子だから、やっぱりそう言うのは俺じゃ無くてキール王子に言ってあげてね。」


そう言うと俺は皿に数個チキンを乗せると、その場から足早に立ち去った。


「アクト様…………。」




いやーダメだろ流石にこれで俺が感謝の言葉受け取っちゃったら。

話した内容も俺が調べたやつじゃなくて前世の知識だし、何より俺この件で一切動いてないし……

知ってる?キール王子今回の件の為に、国中飛び回って当時の事について色んな証言とか集めてたんだよ?

流石にそんなに努力してる人から、感謝の気持ち取っちゃダメでしょ。


あ、このチキン美味!


――――――――――


ここまで読んでくださりありがとうございました。

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キャラ紹介②

シャーロット=ホワイト

アクト=ホワイトの妹にして変態である。


https://kakuyomu.jp/users/nabetabetai/news/16817330657683043140

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