第16話俺の強化イベントキタコレ!

とある日の晩

俺はとある事に今更ながらに気がついて飛び起きた。


「ゲーム内にあった強化アイテム集めたら俺強くなるくね?」


実はヘン学にはちょこちょこ戦闘パートがあり、主人公やヒロイン、もちろん俺達悪役キャラにもステータスは設定されており、別にヘン学は戦闘系ゲームでは無い為レベルアップなどはなく、主人公はもちろんの事ヒロイン達を強化するには各地にあるダンジョンや隠しやヒロイン攻略中に貰えるアイテムや武器で強化していくのだ。


今までそんなものがあった事なんてすっかり忘れていたがそのアイテム達があれば、あの決闘以降ちょくちょくうちに決闘を挑みに来る王子から隠れる必要が無くなるのでは?

そうと決まれば善は急げだ。


「と言う訳で今日は俺の強化の為に君達に集まって貰った。質問のある奴はいるか?」


俺がそう言うとキール王子が手を挙げた。


「はい、では俺に負けたキール王子」

「負けたは余計だ。本当にその貴様の強化を手伝ったのなら、決闘をしてくれると言うのは本当だろうな?」

「ああ、男に二言は無い」

「ならば良い」


満足したのかキール王子が手を下げると、今度はユウリが挙手した。


「どうしたユウリ?」

「あの今からダンジョンに行くんですよね?何でこのメンバー何でしょうか?大人の人を連れて行った方が安全ですし、アクト様的にもそちらの方がよろしいのではありませんか?」

「あー、その事ね、実は皆んなを集める前にうちの警備何人か連れて行ったんだけど、ダンジョンに俺以外のメンバー入れなかったんだよね……」

「そんな事が!?」

「いや〜ビックリだよね」


まぁ、何と言うかダンジョンはめちゃくちゃゲームだった。

俺達みたいなネームドキャラしか入れない仕様になってるし、何より意味が分からなかったのが一定より怪我をすると、ダンジョン内でおった怪我が一切無くなった状態でダンジョンの入り口へとワープ?させられる。


本当ビックリするぐらいゲームだった。

そんで怪我しないって分かったから無茶しながら突っ切ってみたけど、普通に死んだよねw

アレだわ、知ってた事だけどアクト=ホワイトクソ雑魚だわ。


「まぁ安心してくれ、今から行くダンジョンは内部でどれだけ怪我しようが、出る頃には一切怪我が残って無い状態になってる謎の場所だから」

「それって本当に大丈夫なんですか?」

「ああ、余裕余裕昨日俺が散々経験したから間違いない!という訳でダンジョン探索隊、いざダンジョンへ出発だ!」


そうしてアクト、シャーロット、ユウリ、キールの4人は馬車に揺られて、最初の目的地へと着いた。

周りは枯れた草木に、よく分からない魔物の死骸が転がっており、何故か空の色は青から紫色に変わっており、目の前には巨大な墳墓があった。


「えー最初のダンジョンは骸の墳墓です。このダンジョンは出てくる魔物はビックリするほど強くて、今の俺達だと一発でも当たったらそこで終了なので、ここを攻略する為の作戦を発表します!」

「おいアクトここはそんなにヤバい所なのか?」

「はい、マジでヤバい所です。それで作戦ですけど、まず俺とキール王子が前に出ます」

「おいちょっと待て!俺はこれでも王子だぞ?それを全線に出すとはどう言う事だ?」

「はいはい、この攻略隊で1番偉いのは隊長の俺なんで王子は黙って作戦に従って下さいね。それとも王子は女子を盾にして進むんですか?」

「…………話を続けろ」


そうして俺はダンジョン攻略の作戦を3人に共有した。


「どう?行けそうじゃ無い?」

「私とシャーロット様はそこまで負担は無いので大丈夫だと思うのですが、この作戦だと王子が……」

「…………いや、よい。この作戦で行こう」

「よっ!さっすが王子かっくいー!」

「お兄様の次ぐらいにはかっこいいと思もいますよ王子!」

「ふっ、まぁな!だがシャーロット=ホワイトよ、そこは嘘でも1番かっこいいと言うところでは無いのか?」

「え?お兄様よりかっこいい存在なんてこの世に存在しませんよ?」

「あぁ……そうか、そうだったな」


そんなこんなで俺達は、ヘン学最難関ダンジョン骸の墳墓の攻略へと挑み始めた。

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