第14話突撃第一王子様
王城から逃げ帰り、お風呂であれこれあった翌日
なんでか知らないけど家に包帯まみれのキール第一王子がやって来た。
「なぁシャロやっぱり王子が来たのってアレかな?」
「シャロも多分それだと思う……」
「だよな……」
そんな訳で父上がキール王子と話しているのを扉を少し開いて眺めていると、父上が勢いよく立ち上がるとそのまま扉を開いた。
そしてこっそり覗いていた俺とシャロは、開かれた扉から部屋の中へと流れ込んだ。
「あ、初めましてキール=トワイライト第一王子。私はホワイト家長男のアクト=ホワイトと申します」
「お兄様の妹のシャーロット=ホワイトです」
俺達は地面に這いつくばりながら、目線だけ王子の方へと向けてそう答えた。
するとキール王子は父上が部屋を出たのを確認すると、足を思いっきり机に乗せて偉ぶり始めた。
「ふん、貴様かエリ…ンから話は聞いたぞ。昨日はよくもやってくれたな」
そう言われて一瞬、あれ?本編でキール王子ってこんな性格悪そうな奴だっけ?とは思ったが、それよりも普通に相手が王子だろうと、そんな偉そうな態度取られ俺は器の小さな男な為イラッとしたので、不敬罪にならない程度に煽ってみる事にした。
「王子その包帯どうしたんですか!?もしや誰かに襲われたのですか?それは許せませんね!」
「いやこの怪我は、おま……」
「お兄様!シャロ見ました!確か昨日キール王子が歳下の女の子に手上げようとして、そこを世界で一番カッコいい男性が颯爽と登場してやっつけてたの!」
「いやだから……」
「何!シャロ!お前あのキール王子が、歳下の女子に手を上げそうになっただって!?そんな事例えそれが本当だとしても言っちゃダメだろ!」
「いや……」
「ごめんなさいお兄様!シャロ不敬罪で打首にされちゃうかも……」
「だ……」
「安心しろシャロ!もしそんな事になりそうになったら絶対に俺が守ってやるからな!」
そんな三文芝居をした後で、2人同時にキール王子の方振り返ると、まぁ!なんとビックリそこにはブチギレ状態のキール王子が居るではありませんか!
「お前らいい加減にしろよ!俺を誰だと心得るか!」
「え?誰ってキール=トワイライト第一王子ですよね?もしかして影武者って奴ですか!」
「そうなのですかお兄様!シャロ影武者って初めて見た!」
「ええい!だからその茶番をやめろと言っている!」
そう言われた俺とシャロは王子を煽るのを辞め、王子とは対面の席へとドカッと腰を下ろした。
「それで?本日はどの様なご用件でうちまで?昨日の件ならばこちらも、妹が襲われていると勘違いして熱くなり、相手をよく確認せずに一方的にボコボコにした事なら謝罪します。申し訳ありませんでした」
「あ、ああ……そう言う事だったのか。分かった貴様の無礼を許そう」
「ありがとうございます」
…………ん?そんなに簡単に許してもらえるものなのか?
王子包帯まみれだよ?本当にいいの?
いや、許してくれるならいいんだけどさ……
「えっと……それで王子が本日うちに来た要件とは?」
「ああ、それはだな……」
そう言うとキールは立ち上がり手に付けていた手袋を外して、それをアクトに向かって投げつけた。
「アクト=ホワイト貴様に決闘を挑む」
「……………………………………はぁ??????」
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