第13話お風呂回 その2

「それじゃあお兄様シャロが、背中洗ってあげるから後ろ向いて!」

「お、おう」

「ちょっと待ってください。アクト様のお背中を洗うのは、婚約者である私の役目では?」


あ……この流れはまずい。


「いや、あの2人とも……」


そう言って2人を止めようと、振り向こうとしたその瞬間、背中に何か暖かく柔らかい何かが触れるのが感じ取れた。


「な!?シャーロット様!何を……」

「ふふん!別に?シャロはお兄様の背中を洗って上げてるだけど?」

「それなら!」


耳元からシャロの少しと息混じりのその声が聞こえ、俺は今一体自分の背後で何が起こっているのかを想像してしまい、元気になりそうな息子を落ち着かせる為に、俺は両手で自分の息子を押さえつけた。

そしてユウリの宣言と共に今度は、ユウリの柔らかい山脈が俺の背中に、水着越しで押し付けられた。


ま、まずい!おさまれ俺の息子よ!


「どうですか?アクト様?気持ちいいですか?」

「あ、ああ…………」

「お兄様シャロのはどうですか?」

「うん。嬉しいよ……」


2人とも俺の息子を刺激させる様な事はやめてくれ!

嬉しい……嬉しいのはそうだが、流石に俺に12歳と11歳、それも片方は実の血の繋がった妹に手を出す度胸は無いんだ。

だから……だから、この生殺し状態はやめてくれ!


それからは心の中で素数を数える事に集中して、何とか俺は1度も後ろを振り返る事なく、生殺し天国を耐え抜く事に成功した。


元気になった息子は前世で一時期飼っていたうちのハムスターが、何処から見つけて来たのか黒光りするGブリを食べている所を思い出して、何とか萎えさせる事ができた。


「いや〜2人とも背中洗ってくれてありがとうね。それでお返しに俺も2人の背中洗ってあげようか?なんちゃ……」

「はい!お願いしますお兄様!」

「私もお願いします。」


なんちゃってぇぇぇぇぇ!!!!


俺の馬鹿野郎!クソ野郎!どうしてくれんだ!ぶっ殺してやろうか?

そうだ、これはひとつ前のセーブポイントに戻ってやり直し

……ってそれが出来るのは主人公だけだわ!

助けて主人公!


だがもちろんそんな俺の思いが主人公様に届く事はなく、無慈悲にも時間は進み続ける。


そうして2人は俺に背中を見せて来た。


どうする……どうする?

いいのか?

俺タオル越しとはいえ触っちゃってもいいのか?


………………まぁ妹ならいっか!


先程の生殺し天国の影響で限界にたっしていたアクトは、いつもならダメだと分かっている事も、正常な考えが出来ない今は普通に性欲に負けて、タオルを泡立て始めた。


「それじゃあ最初はシャロからいくぞ」

「はい、お兄様」


そうして俺はゆっくりと泡だったタオルを、シャロの白く綺麗な背中に押し当てた。


「ひゃんっ♡」

「お、おいシャロ変な声出すなよ!」

「ごめんなさい……でもちょっとくすぐったくて……あぁん♡」


そうして俺はシャロのエロい声をBGMに、出来るだけ聴こえないふりをしながら背中を洗い始めた。


初めてこんなにもじっくりとシャロの背中を見たが、本当肌白いな……それにめちゃくちゃ細いし。

んっ♡

大丈夫?これ折れたりしないよね?

あっ♡


きゃ♡


はぁはぁ……んっ♡


「…………はい終了!シャロの番終わり!」


流石にこれ以上は無理だったので、俺はシャロにお湯をかけて強制的に終了した。

それにシャロは文句を言っていたが、そんなもん知るか!

文句があるならエロい声を出すな!

敏感肌にも程があるわ!


「それでは次は私ですね」


そう言うとユウリはいきなり肩にかかっている水着の紐を持つと、それを勢いよく外し上半身半裸になった。


「うわぁぁぁぁ!急に脱ぐんじゃねぇ!」


俺はすぐに手で目を隠した。

その際目に泡が入ってクソ痛かったが、今はそれどころじゃ無いので我慢した。


「でも私の水着だと、脱がないと背中洗えませんので」

「ええい!そんなもの知るか!今すぐ水着を着ろ!」

「ユウリお前には羞恥心と言うものは無いのか?」

「あ、ありますよ!私もずっと胸を出しているのは恥ずかしいので、アクト様に早く背中を洗って欲しいんですよ」


そう言われると何故かこの時の俺は、それもそうかと思い目を開くと、そこには恥ずかしそうに腕で胸を隠しているユウリの姿があった。


「それじゃあ洗うぞ……」

「はい……」


ユウリはシャーロットとは違い特に声を出す事もなく、静かに背中を洗われた。


その代わりに俺は背中越しにも少しはみ出ている横乳に、偶に意識を持っていかれそうになりながらも、どうにか視線をそちらに持っていかない様に我慢しながら、何とか洗いきることに成功した。


「終わったぞ……」

「はい、ありがとうございます」


ユウリは少し照れながら後ろを向き水着を戻し、俺もそれを見ない様に後ろを向いた。


そしてそんな2人を見てシャーロットは頬をハリセンボンの様に膨らませた。


「ユウリちゃんだけズルい!シャロの事ももっとちゃんと洗ってよお兄様!」


そう言ってアクトに飛びついた。


そして床は泡やらお湯やらで滑りやすくなっており、いきなりシャーロットに抱きつかれたアクトは上手くバランスが取れず、足元も滑りやすくなっている事も合わさって、そのままユウリのいる方向へと勢いよく転んだ。


「痛ててててて……おい、シャロいきなり飛びつく…な……よ………………!?」


そう文句を言ったアクトの手には2つの柔らかい感触があり、それを確認してみると右手にはまだ水着を着ている途中だった事もあり、二つ山脈が剥き出しになった状態のユウリの胸があり、左手にはどんな確率なのかシャーロットの水着をずらす事なく、水着と胸の間に左手が入り込んでいた。


「あ……あ…………あ………………!」

「痛たたたた……ってきゃあ!」

「お兄様♡」

「うわぁぁぁぁ!!!」


俺はその瞬間今までの我慢も含めて限界突破し、叫び鼻から大量の血液を撒き散らしながら気を失った。


因みにこれは後から聞いた話だが、気絶している時の俺は最高に緩み切っていたらしい。


本当2人ともごめん!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る