第6話 家に帰るまでが夏休み


「2人とも、ありがとう。ごめんねついさっき止めてえらいとか言っといて私の方が全然止まらなくて」


「しょうがないって、それより怪我してなくてよかったよ」


家族の仕事場で何かあったらそりゃいてもたってもいられないと思うし、僕からしたらそんな震えてて凄いなと本当に思う。


この後サラは家族と会い家族も魔法石も無事だったようだ。

そんな団欒な姿を見て


「そろそろ帰ろうかな」


「アスムもう帰るの?」


「うん、なんか帰りたくなっちゃった」


「そっか、ねぇアスム。僕盾魔法しか使えないけどさ、相性があるみたいで人よりも長い間出せるんだ、一個しかまだ出来ないけど僕の魔法も役にたったしもう少し頑張ってみるよ」


「うん、応援してるよ」


「うん、僕も!」


こうして僕らは来た時の森の木の根に向かった。

角ウサギに出会わないようにゆっくりと。


そんなゆっくり歩いていると木の根には僕らより後から出たのに僕らより早くついたサラが待っていた


「2人とも遅すぎ!」


「いやサラが早すぎるんだよ、それよりどうしたの?」


「はい!これ渡そうと思って」


そう言いサラから渡されたのは

手のひらサイズの魔法石だった。

もしかしてコレって


「これがあるともしかして僕の世界でも!」


「無理、魔法は使えないよ、たぶん普通の綺麗な石だと思う。」


「なんだよ〜意味ないじゃん」


「意味はあるよ、あ!それに魔法も一個使えるよ!」


「マジ?なにそれ?屁以外がいいかな」


「それは、勇気だよ」


「勇気?」


「そう!この魔法石はアスムの勇気のおかげで無事だったからね、この世界とか向こうの世界とか関係ない共通の魔法だよ!」


「勇気…サラ?ちょっと臭くない?」


「うるさいな!せっかくあげようと思ったのに…いるの!?いらないの!?」


「ありがと!もらう!もらう!」


僕が茶化すとサラは照れ怒りしたけど僕はありがたくもらうことにした。

たった数時間だけど大冒険。本当に楽しかった。

名残惜しいけど僕は2人に別れを告げ穴の中に入ろうとした瞬間さらに手を引かれ


「向こうの世界の私ともいっぱい遊ぼうね」


そう言われ何かがほっぺたに触れたと思ったら真っ赤な顔したサラにドンと押され僕は穴の中に吸い込まれていった。



気がつくと次の日の朝で家のベッドで目が覚めた、外に飛び出して異世界へ行った木の根に行ってみるが土で塞がり入ることが出来なくなっていた。

僕は夢だったのかと不思議に思いながらも部屋に戻ると返し忘れた杖と魔法石が机の上に置いて合ったのを見て僕はあの冒険が本当にあったんだと実感した。


少しだけ期待して杖を持ち扉に向けて唱えて見るがやはり何も起きなかった、やっぱこっちの世界じゃ使えないのかー。


ガッカリしているとピンポーンとチャイム音が、アツシたちが迎えに来たみたいだ。

サキが何故か顔赤いけど風邪かな?

というか僕も僕でサキ見るのちょっと恥ずかしい…


あの世界の話ししたらみんな信じてくれるかな?

いや、信じないだろうな〜

とくにアツシは。


「行ってきまーす!」


僕はこの世界でも使える魔法を持ち今日も全力で遊ぼうと思う!

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ワ・ライラ・ストーリー 兎波志朗 @NAMIUSAGI

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