第5話 夏は危険がいっぱい


「プーカッカ!」


爆発音と逃げる人たち、その後ろにいたのは黒く小さく小太りな妖精みたいな姿がみえた。

プーカだ!とサラが叫ぶ、プーカとはイタズラ好きで良く魔法石を狙って襲ってくる妖精らしい。

この土地のプーカの得意魔法は炎らしく逃げてる人の中には服が燃えてる人もいる。


怖い…


僕がビビって動けずいるとサラは魔法石と言い炭鉱に走り始めた


「サラ!?」


突然の行動に僕が驚いているサラの家族は炭鉱で働いてるためプーカに魔法石を取られる前になんとかしようとしてるのかもとプードゥが説明する。

なんとかするって言ったって

サラは僕より魔法を覚えてると言っても僕よりはだ、大人が逃げているのに行って何をするんだよ…


そんなことを考えていると


「ヌール・サハム!-光の矢-」


サラが魔法を唱える声が聞こえる、もしかして戦ってる?

僕はなんとか足を動かし、一緒にビビってるプードゥと一緒に声のした方へ行くと


「プーカッカ!間抜けな女の子プカ!そんな呪文じゃやられないプカ!」


炭鉱の中で魔法石が沢山ある穴の中でサラがプーカに捕まっていた。どうやら魔法石を守ろうと立ち向かったところ捕まってしまったようだ。

プーカの数は6人、1人のプーカがお腹に引っ掻いたような痕があるのでそれがサラの魔法でだったら僕の魔法じゃ無傷だ…

そして離せと叫ぶサラにプーカたちは魔法で吹っ飛ばしてやるなど言い始めた。

どうしよう…サラが…


怖すぎる、まさか異世界に来てこんなことになるなんて、今日のお昼に飛び込めずにいた僕がこんな場所に出くわすなんて…

プードゥは僕の服にしがみつきビビりまくっている。


大人たちは今プーカたちを追い払う警察のような人たちを呼ぼうとしてるらしい、しかしそれまでサラが無事でいるかわからない…

今、目の前で好きな子とそっくりな子に危機が直面してるのに足が動かない。


本当の勇気


ついさっきの帰り道サキに言われた言葉を思い出す、本当の勇気…でも僕の魔法は空気銃と屁、プードゥと合わせても3つだけ…


なにか、なにか…?

-ヤバいぞアスム!ヒロトがオナラしたから今火をつけたら理科室吹っ飛ぶぞ!-


吹っ飛ぶ…屁…


「ねぇ、プードゥ。ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど…」


僕は海に飛び込む方がよっぽど簡単な場所に飛び込むことにした。



「さぁ、今すぐ吹っ飛ばしてやるプカ!」


プーカがサキの顔に手をやり呪文を唱えようとした時


「ハワァ・ムサッダス!-空気銃-」


痛っとプーカの手を狙いサキの掴んでいる手が離れるとプードゥがサキの事を抱き抱え僕の方へやってきた


「痛いプカ!なんだお前プカ!」


「誰でもいいだろ!このチビやろう!これでも喰らえバァッファトン-屁-」


僕は足がガクガクしながらも煽り屁を唱える


「くっさ!なんだこの魔法はプカ!?臭いだけじゃ効かないプカよ!」


「うるせープカ!プカプカ言ってるの奴らにはこの魔法で充分プカ!」


僕は魔法に困惑するプーカを煽りまくり小さい声で屁魔法をこっそり唱えまくる。


「なんだとプカ!」


「お前らみたいなチビには臭いで十分なんだよ!どうせ魔法とか使えないプカだろ?プカプカ」


「プカは一回プカ!それに魔法なら使えるプカ!」


「へー?僕も火以外の魔法なら使えるから凄くないプカプカ」


「こいつ、またプカプカ!ふっばかめ火の魔法は得意プカ!」


「えー信じられないな〜」


「ならば望み通り見せてやるプカ!喰らえ渾身の火プカ!」


「今だ!プードゥ!!」


怒ったプーカたちが手のひらを前にだし唱えようとした瞬間プードゥの名前を叫ぶとプーカたちが唱える前にプードゥの盾魔法が発動する

そしてプーカが呪文を唱えた瞬間


ドッゴーーン!!


炭鉱が軽く揺れるくらいの爆発が起きた。



「い、威力ヤバすぎ…」


炭鉱の穴から爆風で僕らは押し出され煙の上がる穴を見ながら状況をマジマジ見ていた、ヒロトの屁でもしこうなっていたら学校がなくなっちゃうところだった…


「アスム!プードゥ!!」


僕がビビっているとサラが僕らに飛びついてきた、余程怖かったらしくガクガク震えている、しかし僕もかなり怖かったし、今は好きな子と同じ顔の女の子が抱きついて来ているので僕も僕で震えている。


爆音がした穴からボロボロのプーカたちが出てくると同時に村の警察のような人たちが大人数で現れたプーカたちはボロボロの羽でパタパタ飛んで逃げていった。

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