第4話 夏休みは魔法を体験学習


「アスムが魔法?…たしかに覚えられるかも」


僕がプードゥに尋ねるとプードゥは一瞬考えベストからもう一本白い色のした杖を取り出しプラス手帳みたいなものを渡してきた


「これ読んで!授業で習った魔法が書いてあるから!文字は魔力がちょっとでもあれば読めるから!」


さすが異世界!

僕はさっそく読んでみるとそこには色々な呪文が書いてあり何が1番いいか探すと銃と書かれた文字が。

これだ!!


僕は早速杖をウサギの前に突き出す


「プードゥ!準備できたよ!」


「オーケー!シールド解除するからお願い!!」


そう言い球体がふわっと消えると僕はウサギ目掛けて叫ぶ


「ハワァ・ムサッダス!!-空気銃-」


僕の出した呪文は運良くウサギの目に当たりパチンッと音がしウサギは悶え苦しみ始めた

悶え苦しむとプードゥが今のうちにと手を取り僕らは無事森を抜けることに成功した。




「凄い!プードゥ!魔法!僕!出来た!」


「大興奮だなぁ、今のは僕以外ならみんなできる子供魔法だからね!」


魔法が出来た僕に少し嫉妬して膨れっ面なプードゥだけど、確かに空気銃って書いてあるし森を抜けて木や石に向かって魔法を唱えるとパチンッと言うだけで石が砕けたりしないし、正直当たりどころが良かったんだと思う。

プードゥも子供が授業で習う呪文だからねと付け足したし。


「あれ?プードゥ世界出したんじゃなかったっけ?」


森を抜け一息ついた時、後ろから声が聞こえた、あれ?この声めっちゃ聞き覚えがあるんだけど…

振り返るとそこには


「サ、サキ!?」


なんとサキが立っていた。


いや、よく見るとこんな昔の映画に出てきそうな服持ってないし髪の毛も金髪じゃないから別人?

それにしては声も顔もそっくりなんだけど??


「アスム、サキじゃなくてこの子はサラ!同じ村の子だよ」


「よろしく!わたしサラって言います!アスムって言うんだね、よろしくアスム!」


名前までそっくりだ。

僕も、よろしくと挨拶するけど不思議な感じだ、サキとまた改めて出会ったような不思議な感覚。

世界には似てる人が三人いるっていうけど異世界も合わせたらもっといるのかな?他のみんなのそっくりさんもいるのかも。


そんなことを考えながら僕らは2人の村に行くことになった、2人の村は近くに炭鉱があってその炭鉱で取れる魔法石を売って商売をしてるらしい。

サラは成績も優秀で僕が使った魔法も使えるしなんなら僕より痛そうな音がしてる。

悔しそうな僕にプードゥはノートを切ってこっそり渡してきて中には呪文が書かれている、サラを驚かせる呪文なのかと僕はとっておきの呪文があるんだとサラの足を止め呪文を唱える


「バァッファトン!!」


勢い良く僕が唱えたそれは


「…くっせ!!」


どうやら-屁-に似たガスを出す、学校で流行ってるジョーク魔法だった…

爆笑するプードゥと鼻をつまみ最悪と笑いながら言うサラ、恥ずかしかったがそんな2人をみてたら僕も笑ってしまった。


「ガキかよプードゥ!屁はないだろ〜」


この魔法、ジョークで面白いけど僕は面白いだけじゃなく不思議な気持ちになる


夏休み前。

僕ら仲の良い5人は理科の実験の授業をしていた。

そんな時、ヒロトがぷぅ〜とオナラをし、みんなで爆笑していたがその時アツシが僕に

「ヤバいぞアスム!ヒロトがオナラしたから今火をつけたら理科室吹っ飛ぶぞ!!」

この一言で僕はビビってしまい火をつけることができずアツシにバカにされた思い出が蘇って不思議な気持ちになる。

ただ言っておくとアツシもこの時マジでビビっていたのを僕は知っているがそのことを認めようとしないのはズルい!


そんな話しを2人に笑い話として話すと2人とも笑ってくれるがサラは一通り笑ったあと


「けど本当に爆発したら大変だからね、ちゃんと止めたのは偉いんじゃない?考えた結果なわけだし!」


なんてサキみたいなことも言い僕は誰と会話してるのか本当にわからなくなる。

その後僕らは2人の世界の話で盛り上がった、炭鉱の仕事の様子や食べ物、学校の話などで盛り上がった。


僕は魔法を使えてデカいウサギ見て本当にゲームの世界に来たのかなって思ってたけど、サラがいるからか学校の話を聞いたからか心から思う


「そうだよなー、みんなちゃんと生きてるんだよなー」


「なに当たり前のこと言ってるの??アスムも私もプードゥもちゃんと生きてるよ??」


僕がぼそっと呟くのをサラは独り言を拾い不思議な顔で返す、そんなサラに僕はううんなんでも無いと言い違う会話にする。


そんなこんなで15分ほど歩いていると炭鉱が見えてきた、幾つも穴ボコが空いていてトロッコが置いてる。

トロッコだ!!

なんだろう…トロッコって凄いワクワクするよね!


乗りたいなーって僕がソワソワしてると奥の炭鉱から


ドッゴーーン!!


という大きい音と共に悲鳴が聞こえてきた。

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