Ordeal

あとがき

　今回はOrdeal - God only knowsをお読みくださり、ありがとうございました。ある日ふと神様に「願いを1つ叶えてやろう」と言われた時、貴方は何を考えますか──ということを真面目かつ現実的に論じてみたダークテイストな作品に仕上がってしまいましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。

　僕はそもそも神様の存在については懐疑的で、まあ居たとしても結局人間の味方はしてくれる訳ないだろうという少々捻くれた思想の持ち主です。でも、仮に神様が、芥川龍之介先生の名作『蜘蛛の糸』に登場するお釈迦様のように、気紛れで人間に対して平等にチャンスを与えたとして、私たちは何を考えるでしょうか。世界中が一致団結して神様に何をお願いするか相談して1つの結論を出すということは、まああり得ないでしょうね。人間は利己的な生き物ですから、心の何処かで「自分だけ得したい」という醜い欲望が巣食うものです。

　本作は世界中の人々がそれぞれ違う願いを胸に秘め、自分の願いを神様に聞き入れてもらうために障壁となる他人に殺意を向けた結果、人類共通の願いが「邪魔者を消すこと」となったことで、人が世界から消えるという結末を迎えました。皆さんは、本作のような事象が現実のものとなったとして、その他の結末は考え付きますでしょうか……。

　それでは……！