第4話 隣の席の女子と仲良くなれだって!?
「あーあの物静かな三河さん?」
「そうだ」
「あーそう言えばあいつの親父さん政治家してたな、当時は全く興味なかったからわからなかったけど、今思えば外務大臣とか超絶ビックな政治家だったんだな」
「あーそうだ、だからお前は葵さんに接近してなんとか三河を総理にするのを阻止してくれ」
「はあ、無理無理。第一全然喋らないし。ていうか高校時代一度も喋ってないし。まず、仲良くなったとしてもどうやって阻止するんだよ」
「三河は娘の三河葵を超がつくくらい
「いや絶対無理だろ。さっきも言ったがどうやってそんな仲なるんだよ」
「それは、お前に任せる」
「神様絶対考えてなかったろ」
「じゃあと言うことで失礼する」
「おい、はぐらかすな!」
「あ、その前に妹さんが俺のためだけにに入れてくれたお茶飲まなくちゃ」
「だけにって。お前、キモいな」
「うまいねー格別な味だ」
「マジで妹は渡さんぞ」
妹が入れたお茶がぶ飲みした神様は帰って行った。その夜どうするか作戦を考えていたら寝れなく寝たのは朝方だった。
「いってきまーす」
流れで妹と二人で家を出たが、高校生の当時妹と途中の道まで登校してたことを今思い出した。
この懐かしい感じ嬉しい気持ちだったが、それより俺は具合が悪かった。
「おにい、具合悪そうだけど寝不足?」
「ああ、マジで具合悪い、寝不足。てか吐きそう」
「昨日の友達との話し合いみたいなの全然役に立ってないじゃん」
「ああ、もう戻しそうだわ」
「ええ、ちゃんと戻す時は袋にするんだよ」
「ああ、分かってる」
こうして、妹とは別々の道になり、俺は電車に乗って学校へ向かった。
吊り革に立って移動するのはとてもキツかった。
電車に乗ってる途中も戻しそうでずっと我慢していた。
「おはよう…」
「ユウキどうしたの具合悪そうだけど」
沢田が心配そうに話しかけてくる。
「寝不足、てか吐きそう」
「おい、大丈夫かよ」
「うん、まだ大丈夫」
「まだってお前、無理するなよ」
「はい、みんな席つけー」
そうしてるうちにホームルームが始まった。ホームルーム中、ずっと机に突っ伏していたら気が遠くなった。
■■■
「立川さん、立川さん大丈夫?」
起きたらそこは保健室のベッドだった。熱心に呼びかけていたのは保健室の先生だった。
「はい…」
「立川さん寝不足?ちゃんと寝なきゃダメでしょ」
「はあ、すいません」
「一番最初に気づいてくれた三河さんにちゃんと感謝しなよ」
「え、三河さんが?」
(隣の席とはいえ、机に突っ伏してるだけで寝てるか倒れてるかよく見分けついたな)
「ええ、隣の席の三河葵さんが気づいたみたいよ」
「なるほどわかりました」
「もう大丈夫なの?」
「はい、だいぶ、と言うかもう回復しました」
「じゃあこれに
「はい」
そういって保健室から出て教室に向かった。教室に戻ると三河葵が席で英単語帳を見ていた。
これは感謝を伝えると同時に仲良くなるチャンスか。
すかさず、俺は三河葵に話しかけた。
「三河さんさっきはありがとう。俺倒れちゃって」
「別に大丈夫ですよ。私、保健委員なので」
「うん、本当に助かったよ」
俺が初めて三河さんと言葉を交わした瞬間だった。
話が続かずめちゃくちゃ気まずかったが、仲良くなるためには強引に話続けた。
「その英単語帳結構ハイレベルだよね」
「そうですね」
なんて淡白な返事なんだと心の中で思った。
「俺もその単語帳買おうかなー。どこに売ってた?」
「因数分解も解けない、立川さんにはまだ早いと思います」
グサ!と心の中でショックを受けた。因数分解、高校の勉強なんて10年以上前のことなんだから忘れて当たり前だろと心で思った。
「じゃあ勉強しなきゃなー。今度わかないとこあったら教えて欲しいな」
「時間があったらいいですよ」
「いいの!?」
「別にいいですよ」
「ありがとう、じゃあ今度質問させていただきます」
俺は三河さんに質問する権利を獲得した。
その後は普通通り4時限目まで授業を受け、昼休みとなった。
「ユウキさっきぶっ倒れてたけど大丈夫?」
「ああ、もう平気だ」
「じゃあ飯でも食いに行くか」
飯を食いに行こうと思ったが、スマホを確認すると神様から屋上に来いとスマホにメッセージが入っていた。
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