第19話 スキル『イリス』
宮園さんのごたごたは一件落着した。社長が法外な賠償金請求をしたので、懐は潤っている。
久々に休日を貰ったので私はステータスを弄ろうと思う。あと神様ガチャも貯まっているのでガチャ連したい!
---------STATUS---------
名前:
種族:人間
レベル:62
年齢:11歳
体力:5902
魔力:7406
筋力:3974
防御:2002
知能:4081
速度:1700
運 :635
■職業:小学生(子役タレント)
■装備:ワンピース
■スキル:完全記憶∞・
■ギフト:なし
■称 号:なし
■加護:なし
■ボーナスポイント:39844pt
ミニステータス
L魅力209・芸術501・運動・339・学力801・社交性502・気品697
「こうして見ると魔法って役に立ってないんだよね。RPGの世界だったら別だったんだろうけど…運もレベルの割には低いし、ボーナスポイントで美味しそうなスキルが無かったら全部運に突っ込んでしまおうかな。っとその前に神様ガチャをしようかな。」
神様ガチャ券の枚数を数えると2555枚あった。あれから7年ほったらかしにしていた神様ガチャ券は貯まる一方だった。
私はガチャ画面を表示させて2555枚全部をガチャ連した。
経験値ポーション(大)821、経験値ポーション(中)309、経験値ポーション(小)125、体力回復ポーション(大)32、魔力回復ポーション(中)21、表現上昇補正(20%・効果は1時間)、魅力補正(+5)、幸運補正(50%・効果は半日)、他にも補正系が多く出た。
ボーナスポイントを全て運にステ振りしたら運が5196になった。馬券でも買ったら一発大きいのが当たらないかな?
それはそうとして新しいスキルは自立サポートシステム『イリス』をゲットしたようだ。
さてこのスキルはどう使用したら良いのだろうか?
「イリス!」
名前を唱えても何も起こらないので恥ずかしい思いをした。
スキルボードのイリスをタップすると目の前にゲームボードみたいな表示が出てきた。
『自立システム【イリス】を起動します。解析鑑定を生贄に対象者:
頭の中で
『初めまして、マスター。私の名前はイリス、世界に接続した情報を統べる
「それって検索とかできたりするの?」
ふとした疑問を口にすれば
『可能です。口に出さなくても念じて頂ければ応答します。』
淡々と返事が返って来た。
「(さっきは返事しなかったじゃない。)」
『貴女と同期していなかったので返答は出来ませんでした。』
「(イリスは何が出来るの?検索だけ?)」
『いいえ、他にも様々なことが可能です。マスターの未来にある自立型AIを進化させた存在といえるでしょう。何か興味のあることはありますか?』
イリスの問い掛けに私はう~んと考えた。
これと言って何か役に立ちそうな感じはしないからだ。
「(じゃあ、バイタルチェックしてよ。)」
無理だろうな、と思って無茶を言ってみれば
『マスターのバイタルチェックを開始します……完了しました。異常無し、正常です。』
透明な何かで私の体をスキャンされた気分だ。
「(これって他人にも出来るの?)」
『可能です。異常部位を可視化することも出来ます。相手に触れることで神経伝達物質を促すことが出来ます。また最適な治療法を提案することも可能です。』
医者泣かせなスキルに将来医者になるのも良いなぁ、と思ってしまった。その前に子役でバリバリ稼いでニートになるから医者は無いな。
「(イリスは医療特化なの?)」
『違います。どの分野でも活躍することが出来ます。』
何だかドヤ顔をされたような気がする。
『マスター、私は知識を蓄えたいです。図書館に行くことをお勧めします。』
「(わぁ…ちゃっかり主張するんだな。夕飯まで時間があるから良いけど。)」
私はイリスの提案を受け入れ県立図書館に向かった。本当は市立図書館で済ませたかったのだが、イリスが県立図書館が良いとうるさかったからだ。
県立図書館について私はパソコンに陣取った。前々から興味があった株についてイリスを活用して本格的にお金儲け出来ないかなぁと思ったからだ。
勿論、株の入門書で先ずは基礎知識を付けて、次は専門書で応用を学んだ。ネットで株について色々と記事を読み漁り、実際にネット証券で株の売買をする。
と言っても私はイリスの指示にしたがって株取引をしているのだが、彼女?彼?は有能だった。
イリスは2時間の株取引で10万円を稼いだ。これは凄い。この調子でお金を順調に増やしていきたいものだ。
私は鼻歌を歌いながら家路を急ぐのであった。
スキルを駆使して人生勝ち組っ! @konohana2023
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