やっぱり『はじめて』はギャルが良い
「ねぇ、この先も一生一緒にいたいね」
「はい、この先もずっと一緒ですよ私たちは」
カーテンの隙間からは朝陽がさしている。
私は隣で何も服を纏っていない状態で私を見つめる女の子の金糸を梳いた。
もう、根岸 涼香さんに私が捧げられる『はじめて』は無いのではなかろうか。
いや、もっと深く考えれば、そんなものまだ山ほど残ってるに違いないけれど。
それらの『はじめて』も、きっとこれから根岸さんに捧げて。彼女のを私が貰うのだ。
「ねぇ、旭川さん。アタシら、付き合うことになったんだよね?カノジョ×カノジョってやつ、だよね??」
「そうですね」
「じゃあさ、、もういい加減、知りたいな」
「?? 何が、ですか???」
「もうっ!旭川さんの名前だよ。まだアタシ、一回も聞いたこと無いんですけどぉ」
「………そういえば、そうですね。ふふふ。分かりました。それじゃあ、耳を貸してください」
「え、え?なになに??」
私は根岸さんの耳もとで、囁いた。
「私の名前は、旭川――――
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かしこ♡
追記
この手紙を読んだあなたは、今何を思ってますか?
手紙に書いてある内容のとおり。
あなたが大事にせず、そのうえ唯一の家族となってしまった実の娘さまを売り飛ばして。その金銭に目がくらみご自身のことしか考えられなかった頭が空っぽのあなたでは、もしかしたらこの手紙の内容も理解出来なかったかもしれませんね。
本当にお気の毒に。
なので。
追記として、改めて簡潔に結論だけを記させて頂こうと思います。
『あなたの娘さまは私が幸せにします』
クソお義父さま。
お義父さまとも本当は呼びたくありませんが、形式上仕方なくです。
なお、体裁として手紙という形式でご報告させてもらいましたが、もう金輪際、あなたは私たちには関わらないでください。
なんで?と思っていますか?
もしかしたら、未だに娘さまに裏切られたとお思いで??
よーく考えてみてください。
あなたは、結局この6年間。
一回も娘さまを探そうとしませんでしたね。
この手紙が届くまで、まさか忘れていたなんて、そんな馬鹿げたことはさすがに言わないと信じています。
まぁ、こういうところです。
あまりグダグダしたくないので、最後に。
あなたは父親失格です。
それでは失礼します。
―――旭川 賢子
―――旭川 涼香
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完結です。
読者様方からしたら、とっても変な終わり方だと、文句を言いたい人も絶対にいらっしゃると思います。
そこに関しては、本当にごめんなさい。
この作品のプロットを練った時、わたしが最初に「こういう物語にしたい!」と思って書いた箇所は、この終わり方でした。
意味が分からないぞ、と思う方も当然いると思います。
わたしも悔しいのです。
この作品を書いてる時ほど、自分の物書きの才能の無さを痛感したことは有りません。
だから、分からなかったら、それでも良いと思っています。
この場では長ったらしく解説などもしないつもりです。
ただ、この作品を今まで応援してくださった方々に一言だけ。
完結まで読んでくださり、ありがとうございました。m(_ _)m
ギャルにあげる『はじめて』は何がいい? 百日紅 @yurigamine33ki
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