第9話 キャンプ編 禁忌と好奇心 / Kontraindikationen und Neugierde

「お前〇〇には絶対に触れるな/見るなよ!」


こう言われたら貴方には絶対この物に触れない自信はありますか?

ソーっと覗かないと約束できますか?


否、出来ません。


なぜかと言うと人間は好奇心に負けるように出来ているからです。原初の頃から人間という物は好奇心の塊でした。もちろん、他にも好奇心を持った動物は沢山居ましたがそれを軸に学習できたのは人間だけです。このお陰で人間は圧倒的な地位を築いて来ました。火、電気、船。。。好奇心によって人間が発明したものは数え切れないほどあります。

さて、確かに失敗は付き物ですが人間が決して扱ってはいけない禁忌も存在します。アダムと知恵のリンゴ、パンドラの箱、原子爆弾、昔の人々は様々な方法で私達に警告していますが誘惑に負けてしまう。

それが我々、人間です。

今日はキャンプで起きた、そんな禁忌や好奇心について話していきます。


それは大体キャンプに入って三日目の事だった。

その日はそれほど大きな予定も無く、外でスポーツをするか二日後の登山に向けてぼちぼち用意をするくらいしかやることは無かった。スポーツと言えば私はサッカーをしたかったのだが茂みにボールが入る事が多かったのと、ゴールが無かったせいで諦めた。その代わりに私とかなりの人数がハマったのは卓球だった。卓球と言っても普通の一対一では無い。

私達はこのゲームを「アラウンド・ザ・ワールド」と呼んでいる。

このゲームは道具がそれほどいらなく大人数で遊べる事から選ばれたのだが、遊び始めるとかなり楽しい。


ルールも至極簡単。

大体同じ人数を卓球台の二つの面に分け、列を作る。

普通のようにサーブから初めラリーを続けるが、ボールを一回打ち返した後は卓球台の周りを走って逆側につかないといけない。

これを繰り返すと皆が卓球台の周りを走り回り始める。

ラリーを止めてしまった人はアウトであり、最後の一人が勝ち。


私もやり始めるとかなり上手い方であり、いつも上位三名には食い込んでいた。

しかし、上には上がいる物だ。

少し前に話したS君は(現在形で)かなりのテニス経験者であり、ラケットを扱うスポーツは全てかなり上手なのだ。彼とは決勝で何回も戦ったが勝ったのは一度程だった。

時間と人数と暇がある人は是非試して欲しい。


さて、本題に戻りますがこの日私、J君とB君は夜中のキャンプファイヤーに集まっていた。このキャンプでは粋な事に、二日に一回夜中のキャンプファイヤーを皆集めてやる事になっていたのだ。しかも、火を使って「スモア」と言う伝統的なお菓子を作る事が許されていたのだ!

このお菓子はマシュマロを火で焼いた後にチョコとクッキー二枚で挟むだけと言うとても簡単な物だったが、これがまた美味しいのである。夜中に砂糖を大量に取り込み、皆楽しんでいる中J君だけ何故か暗い顔をして隅に座り始めた。


「おい、お前もスモア食うか?」


私が彼に近づき質問すると、彼は


「俺、マシュマロ嫌いなんだ。」


と静かに言うと闇の中へ消えていった。

(これは比喩では無く作者がガチで次の日まで彼の行動を把握出来なかったからである」


人混みに紛れたJ君を探しているとB君がベンチに座ろうと誘って来たので、私はJ君を諦めた。

火から少し離れたベンチに行くと、すでに座り込んでいるS君、Pちゃん、Oちゃん、そして他の男女などが見え始めた。私達も座り込むと数十分間色々な雑談をしていたのだが、その後に出てきたS君の発言が禁忌に触れる事になってしまった。。。

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ドイツ学園物語 U.N Owen @1921310

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