第4話

「疲れたな」

どうやら逃げ切れたみたいだ。

「なにやってるの!」

ヒアナは言った。

「私はお姉ちゃんを助けようとして、」

「そうだぞ」

ヒアナもミアナが助けようとしたことは、わかっているはずだ。

2人とも黙り込んでしまった。

2人は喧嘩するといつも黙ってしまう。

「取り敢えず、泊まるところを探そう」

今は、とどまるのは良くない。


宿は簡単に見つかった。

大通りに面している見渡しのいい宿だ。

お金も神父から貰ったものがあるから、しばらくは困らないだろう。

「そろそろ飯を食べに行くか」

「私はお肉がいいな!」

ミアナはもう元気そうだ。

「ヒアナはそれでいい?」

「私は宿に残っとくよ」

「分かった」

まだ明るいからまた襲われることはないだろう。


「うまいか?」

「うまい!」

ミアナは本当に美味しそうに食べる。

やっぱり私も肉を頼めばよかったかな。

でも、ステーキは人が燃えた匂いに似ている

気がする。


もう、あたりは真っ暗だ。

「ヒアナはまだ寝ないのか?」

「私はメナに話があるんだ」

そう言ってヒアナは話し出した。

「私、ミアナに人を殺してほしくない」

「だから、もしまた私達を襲う人たちが現れたら、私とあなたで対処したいんだ」

私もミアナが人を殺す姿は見たくない。

「分かった」


その時だ、窓の外で何かが動いた。

さっそく、2人で戦わないといけないらしい。


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