エロゲの世界へ転生したらモブだった件。

Opus,3

『初エッチはぁ〜やっぱり彼の部屋でイチャイチャしながら、なんとなく流れで〜がいいかな〜なんて〜』

　俺はギャルが照れくさそうに話をしている動画を見ながら菩薩になっていた。

　所謂、動画サイトで初めてセック○（ﾋﾟｰ）する場所ランキングを観ている。

　この際、付き合ってるとか付き合ってない（ここには一切触れたくない純愛厨）とかは置いといたとしても、やっぱり生徒会室とかはないわー。

　それに俺達、初めて同士だった。

　だけど、色々スムーズだったのはどうしてだろう？

　何か、うん。

　本当に準備万端な感じだったのだが。

　それにあの人、生徒会室をすげー私物化していたな……。

　怖っ。

　そんな事をぼんやりと考えながら、動画の続きを観ている俺に届いた宛名のない不審なメール。

　中身を開くと、

『僕の凛音はいなくなった。君が幸せにしてやってくれ』

　んん？

　これストーカー先輩じゃね？

　あの人……どこかで見ていたのか？

　あれを？

　怖っ（二回目）

　でも、まー。

　今回ばかりは、かなりショックだったのかもな。

　相手がモブだしな。

　だが、これで山本さんがストーカー先輩に寝取られる心配はない。

　つまり、あの陰惨なNTRフラグを折ったことになる。

　誠也きゅん、やったよ。

　俺、頑張ったよ。

　そして、夏休みに突入すれば、自然と二人の仲は進展するだろう。

　まー、モブとの行為なんてノーカンだろうし。

　今後は誠也きゅんのエクスカリバーで山本さんを楽しませて欲しいものだ。

　はぁ……。

　でも、いい夢は見れたよな。

　推しが可愛かったし。

　よし、あったかい布団で眠ろう。

　俺は動画を切って、安らかに眠るのだった。

　◇◇◇

　翌朝、俺は優雅にあたたかいカフェオーレを飲んでいた。

　童貞を喪失して大人になったのだから、飲めないコーヒーでも飲んでみる。

　一対九。

　勿論、ミルクが九である。

　しかし、テレビの星座占いで優雅な朝が一変した。

『今朝の最下位は乙女座のあなた。女難の相が出ています。出来るだけ女の子には近づかないで。ラッキーアイテムはタコのキーホルダー。それでは良い一日を〜』

　はぁ？

　テレビの星座占いで初めて聞いたわ。

　女難の相って。

　女の子には近づかないでって。

　クラスの半分は女の子なんだが。

　ラッキーアイテム、タコのキーホルダーはどこで購入したら。

　兵庫県？いや北海道か？

　こうして、星占いを信じる俺はガクブルと震えながら登校するのだった。

　◇◇◇

　いつも評価や応援、コメントまでありがとうございます。

　感謝申し上げます。