Opus,7
デデンデデデンデンデンッ!!
はい、という訳で弓道場まで山本さんを送って行ったモブです。
ちなみに山本さんは弓道部のエースです。
で、思いっきり目が合ったよねー。
くっそイケメンなのに、ね。
ある意味、どこでそんなに捻じ曲がったんだと……エロゲ内のストーリーで、コイツの自室が映るのだが、山本さんの写真が部屋中にあったりする。
ガクブル。
陰湿、粘着、危険。
本当は絶対に絡みたくない人物だが、そうも言っていられない事情が出来てしまった。
実はこのエロゲ『君デイ』のストーリーが始まるのが夏休みからなのだ。
山本凛音ルートの場合だと、夏休みにクラス全員で海へ行くというイベントが起こる。
そこで山本さんがナンパされている所を誠也きゅんが颯爽と登場して助けたことから、二人のストーリーが始まる。
そして、今回のような戸塚先輩からのストーカー被害を誠也きゅんに相談するイベントも発生するのだが……。
今は初夏。
夏休みまで、一ヵ月半もある。
ねーねー時系列、なんか早まってません?
そういう訳で俺が誠也きゅんのとりあえずの代役をする事になった。
そうしないと山本さんはストーカー先輩の毒牙に掛かってしまうからだ。
このエロゲがある意味――NTR系と言われるくらい山本さんはストーカー先輩に身も心もドロドロに調教されてしまう。
ぐぬぬ……。
そんなことは絶対に阻止だ。
NTR、絶対、ダメ。
前世で親友に彼女を寝取られたトラウマもあるが、推しには無事に夏休みを迎えて貰いたい。
そして、誠也きゅんと真っ当な純愛をして貰いたいのだ。
俺は推しのハッピーエンドが見たい。
という訳で、時系列はおかしいし、モブでしかない俺だが……NTRを阻止する為に立ち上がった。
とりあえず、牽制の為に、このほっそい目でストーカー先輩を睨みつけてみた。
だけど、なぜか俺の視線に気づいたのは山本さんの方で、はに噛むように微笑むと、俺にだけ小さく手を振って弓道場の中へ消えて行ったのだった。
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