第6話 昭和40年代 中学生の作り方

今回のキーワードは〝昭和40年代の中学生〟です

当時 6年生といっても今の3年生くらい子供だったから

パンツギリギリ丈スカートの〝ワカメちゃん〟が

ひざ下10センチのセーラー服少女へ

ヨコチン半ズボンの〝カツオくん〟が詰襟長ズボンに

突然変身するのが当時の中学入学でした まるで元服です


スカート丈ひざ下10センチは生徒手帳に明記された規定だったけど

あの当時でも なんともダサイ微妙な丈でしたから

長くするやつ 短くするやつ 一杯いましたよ

長くする方は後のスケバンスタイルだから 当時も突っ張ってる子がしてた

短い方は ミニスカートの流行はまだまだ先だからワカメちゃん回帰かな


平成になっても 物差しで先生がスカート丈計る学校の話を聞いた事がありますが

私のところはというか あの頃は逆に全然厳しくなかったです

〝自由主義教育〟というものに 先生も迷っていた時代なんでしょうね

ちなみに私は10センチ短めの膝丈… って誰も興味ないか


当時 入学祝の三種の神器は 万年筆 腕時計 革靴 でした 

制服にこれらを身に着けて 皮の通学カバンを持ったら

一人前の中学生の出来上がりです

ただし これは女子バージョン 

男子の靴はまだ白のひも靴(スニーカーとは言ってなかった)

かばんは革製と白いキャンバス生地の肩掛けカバンのどちらかで

革靴はくのは高校生になってから というのが暗黙のお約束でした


最近の中学生は チョモランマ登頂か! みたいなリックを

一体 何が入ってるのやらパンパンにして担いでますが

我々の革カバンは薄さがイノチ と~ぜん物は入れられないから

手提げの紙袋持参 これ 布製はダサくて紙袋はおしゃれ…

 (ど~いう基準だったのか 今となってはよく分かりません) 


万年筆も腕時計も 今の中学生の間では完全に死滅しているようですね

スマホは禁止なのに腕時計持たないで不便はないのか? と思いますがね


ちなみに 当時女性は腕時計を左手につけ時計の面は内側に 

手のひらを顔に向けるようにして時間を見てました 

外向きに着けると時間を見る時 肘を張ってしまうのがはしたないから 

と言われました

  私は右手内側でした その時はそれがちょっと異端でカッコイイかなと


それらのものは 入学祝に親戚などからもらうものでしたが

私には 父の知人からもメッチャ重たいお祝いの品が届いたんです 

なにが入ってるんだろうとワクワクドキドキ

舌きり雀の婆さんなみの期待度で開けたら  広辞苑でした 

いやあ ガッカリしたなあ まだ小6だったもん  

でも 大学まで使った今から思えばありがたいプレゼントでしたね

今は 何でも検索しちゃうから 子供たち辞書は使ってないみたいだけど


検索は 〝自分のテリトリーで知らない事〟から出る事がないけど

辞書をパラパラしてると 思ってもみない言葉に遭遇するんですよ

その楽しみは 今は必要とされないのかな 知って欲しい気もするけどな

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