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(友樹君っ!)
まさかそんなはずはないと思うのだけど、
六歳の頃の
その時より、少し大人っぽくなってはいるけど、
「囲碁の
パーカーの
「どっちが勝ってるの?」
その言葉に、梨音は
友樹は白石、対するポロシャツ姿のおじさんは黒石を持っている。
囲碁は、白と黒の石を
それぞれの石が囲っている
「なんだ、やっぱり大人の方が強いんだ」
つまらなさそうに言う芽衣に、梨音は、それは
「これは。
梨音は、芽衣に小さな声で教える。
「え、じゃあ、あのおじさん、子供より下手くそなの?」
梨音に合わせて、芽衣も小さな声で聞く。
その
もう終わりのところなので、おじさんの強さはよくわからない。それでも友樹が本気で打ってないとわかるのは、梨音も彼の指導碁を受けていたからだ。
友樹は、本気で勝負している時と、教えるために打っている時では表情が全然違う。
本気で勝負している時の友樹は、怒っているみたいに怖い顔で顎をよくさわるけど、指導碁を売っている時は、穏やかな表情で、相手が答えを出すのをゆっくり待ってくれる。
相手は、小学生チャンピオンになった人なのだ、その辺の大人が
梨音なりに、おじさんが次に打つ手を
「まいりました」
「え? このまま打てば勝てますよ?」
「それがわかっている
お礼を言って立ち上がるおじさんも、自分が指導碁を打たれていることには気づいていたらしい。
「そんなことないです」
そう返す友樹に、おじさんは「さすが
おじさんが離れたことで、友樹が座っている机に、画用紙にカラフルなクレパスで「囲碁部・
どうやらここは、囲碁部の活動紹介の場所だったらしい。
(いんせい……てなんだろ?)
コロナが流行った頃によく聞いた「
聞きなれない言葉に首をひねっていると、囲碁部の人らしき生徒が、次の対局者を募る。
「できれば次は、子供さんの
そんなことを言われても、囲碁ができる子供は少ないだろと考えていると、隣の芽衣が「ハイ」という元気に手を上げる。
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