第20話 日本での手続き

 牧場で時間を取ったので。テレポートで西の森に行きいつもの獲物達をいつもより少し多めに狩る。

 午前12時を知らせる鐘が鳴ったので、慌てて島の館に移動して異空間へ行く。

 すると管理人が出て文句を言う。


「おっそ~い!いつまで待たせんのよ!」

「ごめん、ごめん!美味しいスープを飲ますから、それで勘弁してくれ」


 そう言って俺はインベントリから深皿2枚と極楽鳥のスープが入った水筒コピーしてそれを取り出す。

 そして、そのスープを2枚の皿に均等に分けた。


「これが極楽鳥のガラのスープだ!美味いから飲んでみてくれ!」


 管理人は恐る恐る皿に入ったスープを飲む。すると、途端に笑顔になった。


「美味しいわね!わかったわ。今回はこのスープに免じて許してあげる」

「ありがとう。それで、何で急いでいたの?病院なら午後1時に受付して2時から始まるよ?」

「あんたの新しい戸籍で書類とか書かないといけないのがあるからそれを書いて欲しいのよ」

「了解。それじゃ地球の俺の新しい住処に飛ばしてくれ」

「わかったわ。それじゃ、行くわよ」


 そう言って管理者は異世界移動アイテムを使用して俺を日本の新しい住処へ飛ばした。

 俺は新しい住処に唐突に現れると、そこには先客がいた。


「初めまして。あなたの言う所だと地球世界の管理者の分け御霊・・・・・・所謂、アバターという奴です。あなたの地球での活動を支援や援助していく者です」


 ・・・・・・行き成りいた20代中頃の女性にそう言われた。そして名刺を手渡された。

 手渡された名刺を見ると、弁護士兼税理士すめらぎ珠子たまこと書かれ電話番号とメールアドレスが乗っていた。

 この電話やメールアドレスは実在するのだろうかと思っていると、


「実在するし、異空間からなら繋がると思うよ?」


・・・・・・との事だった。

 気を取り直して、本日は何の様で来たのかを訪ねると挨拶と書類作成らしい。

なんでも記憶を弄って高校に行く場合には、書類と写真が要り、又、4月を超えている為に16歳になっているとの事。その為に学校全体の人数の記憶改ざんに書類の偽造、俺との記憶共有できるように俺の分け御霊の作成、俺の新しい戸籍の名前等色々とあるらしい。


「一応、高校は出ておいた方が良いと思うのでお願いします。出来れば東京にマンションを借りてその地区で1番の進学率を誇る公立の高校でお願いします」

「なんで、公立の高校?市立でも良くない?」

「親がいない俺が行き成り私立だと怪しまれるんじゃ無いかと思いまして・・・・・・」

「そう。そしたらそうしておくわね」

「それで名前の件なんですが・・・・・・名前は四条しじょう志門しもんでお願いします」

「異世界と同じ名前だけど良いの?」

「はい。真名という訳では無いし、向こうと同じ名前なら呼ばれた時に気付きやすいと思って」

「そうね。それが良いかもしれないわね」

「書類を書くので書く書類を渡して貰えますか?」


 書類が渡されて何処に何を書くのかを説明されて書類を書き出した。


「あ!今、思い出したんですが俺って16歳になっているんですよね?」

「そうですよ」

「そしたら夏休みに合宿でバイクの免許を取りたいので手続きおねがいできませんか?」

「良いわよ」

「ありがとうございます。そういえば俺の未成年者後見人ってだれがなるんでしょうか?」

「あ!それ、私がなるよ」

「え?皇さんがなれるんですか?」

「これでもこの世界の管理人の分け御霊だからね。意識操作してなるのは容易いよ」

「いや、そうじゃなくてこれからもずっと出現してるんですか?」

「そうだよ?あなたの報酬を稼がなきゃいけないし、役目が無くなるまでは出現してるよ」


 そう言って皇さんは笑った。


「それって後見人が終わっても消える事が出来ないんじゃ?」

「そうかもしれないね。そうだ、あなたの両親が死んで諸々の税抜きで5千万円の保険金が入る事にしておいたから、後これ、私特性象牙の印鑑セット」

「私特性って何が特性なんですか?」

「この判子で押した判は同じ判子じゃないと印鑑の判定でエラーが出る。盗難に遭ってもエラーが出る」

「めっちゃ大事ですって!これってインベントリでコピーしたのを使ってもエラーが出るんですか?」

「その場合には、付与や防犯機能等もコピーされるのでエラーはでないかな」

「それじゃ、オリジナルはインベントリに入れて普段使いと予備用はコピーします」

「了解!」


 午後12時30頃になるので病院の受付をしてくる事を皇さんに言う。


「わかったわ。それじゃ病院の受付に一度行ってらっしゃい」


 了解が取れたのでテレポートで病院の近くに行き、午後12時30分頃に午後2時から始まる診察の受付をする。

 その後に病院を出て、住処に戻った。皇さんからお帰りとの言葉を頂いた。


昼食にコピーした牛丼を食べていると、皇さんから欲しそうな視線を感じた。


「コピーした奴ですが牛丼食べますか?」

「良いの!食べます!」


 との事だったので新しいコピーした牛丼と小袋に入った紅生姜と七味唐辛子を渡し、これまたコピーした割り箸とお茶を渡した。


「あの~、新しい戸籍で東京の学校に行くんなら東京で保険金とか入れる銀行口座を作っておいてくれない?その印鑑セットで」

「調べてみたら東京で四菱UFJ銀行で口座作るのに予約が要るんだけど?」

「何処行っても運良く最優先で対応して貰える様に因果律弄っておくね」

「身分証明書が無いのですが?」

「それじゃ、仕方が無いか。印鑑セット貸して」

「はい、これです」

「この書類にこの認め印を押してと。ここ名前を書いて」

「はい」

「住みたい区は何かある?」

「できれば世田谷区で欠陥住宅で無い物件で!」

「じゃぁ、このアパートの賃貸で良いかな?」

「物件の間取りを見せてくれるのは良いですが、賃料が高すぎません?」

「そう?欠陥住宅を除くとすぐ入れる安全で生活しやすい住居はここなんだけど・・・・・・どうする?」

「じゃぁ、そこでお願いします」

「はい。斡旋している不動産屋と大家に記憶改竄していつでも入れる様にしてくれるようにしてっと、区役所の方にはさっきのこの書類で住民票が元からあって保険証は記録と記憶を改竄したこれで国民保険証は手に入った!」

「国民保険証が手に入ったんですか?」

「はい、因果律を多少曲げる事になったけど手に入りましたよ。ついでに住居近くの四菱UFJ銀行の口座を今日付で口座開設しておきましたから!これは通帳です。キャッシュカードは後日送られてくるし、保険会社の最終の書類は今日提出したしで後は待つだけですね」


 そういえば、俺の分け御霊の作成ってどうやって作るんだろう?


「そういや、俺の分霊ってどうやって作るんですか?」

「あ!それが残ってたの忘れてた!このブラシで紙をいて見ると毛が付着して出てこない?」


 あちこち髪を梳いてみると1本だけ出てきた。


「あなたの生気をちょっと貰ってこの出てきた髪に付与すると・・・・・・出来上がり!」


 その言葉通り、俺と同じ年格好の俺がそこにいた。


「姿形だけに似てるんじゃ無くて分霊だから本体の持つ能力も一通り持っていて考える事も同じです!」

「「同じって事はまったくちがいはないのか?」」

「分霊は黙ってて。本体の方が強力な能力を持ちますね」

「それ以外は同じって事か、何か俺と記憶共有させる時に負担にならない為とかの理由があるの?」

「その通りです。負荷が大分軽減されます」

「はぁ、成る程。凄いな。あ!そういやそろそろ午後2時なので病院へ行ってくる」


 そう言うと俺は病院へテレポートして2時迄あと10分掛かるので待っていた。

 何時もの如くいつもの様に診察を終える。

 指定の薬局まで飛び、前もってFAXした処方箋で待ち時間を減らし薬を貰う。

 後は母親に会うだけだ!



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