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明治ナショナリズムにとって、国民国家とは

「王の二つの身体」のうち、王が死して後もなお残る神聖な不死の部分である

それは「空虚」で「陳腐」な「虚構」

不死身の身体――「万世一系」の天皇の「身体」(天皇家元来の「日本」の領土)

その神聖な身体=領土に住む人間たちがすでにして多民族的であるという「事実」

アイヌや琉球人も日本国民であるということは、日本が多民族国家であることの証明にはならない

彼らが近代初頭の侵略によって「国民」化された人びとであるのは、歴史的に明白だからだ

不死身の身体である「天皇」を「国民」は「ノヴェル(小説)」であり「ロマンス(幻想)」と読んだ いずれも「フェイク(虚構)」なもの

神秘的な迷信はいつまでも醒めないので「ファクト(現実)」を避け続ける


忘れてはならぬのは、もっとも稚拙で陳腐なるもののうちにこそ、最悪に抑圧的な暴力が路頭することである(渡部直己『日本近代文学と<差別>』)


わたしは

三島由紀夫が割腹自殺した年に生まれた

流行作家のなれの果てが「非業の死」とスキャンダラスに報道され、それは「滑稽」で「陳腐」な「虚構」だった

「日本人のなかにある一種の滅亡衝動のようなもの」は

「日本人=天皇を信じる者」であれば想像できる気がする

部落民が「もの(=剰余=フェティッシュ)」であるように 天皇(制)もまた「もの」なのだ

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