小学5年生の不安定な心が行間に漂う、不思議なお話でした。児童小説らしい読みやすさと、ちょっぴり日常から離れた出来事と、放課後会議というありそうななさそうな題材が混ざり合っています。私が小学生だったのは大昔で、今の時代とはずいぶん事情が違いますが、読んでいる間にあの頃の気持を思い出し、懐かしい気分になりました。
登場する男の子の行動はめちゃくちゃ変だ。なのに、なぜだ。なぜキュンとするのだ。可愛く見えてくる。言ってることもやってることもおかしいのに、好きになっていく。不思議でならない。好みのタイプではないキャラクターなのに。なぜにそんなに魅了するのだ。笑いをとりながら、テンポ良く進むストーリー。特徴的なキャラクター。まさに文字塚様にしか書けないストーリーだ。好き……って思ってしまった瞬間に、やられた!という気持ちになる。楽しい胸キュン物語を是非お楽しみください!