第26話

「お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください……それ!」


「ちょっと待ちなさい!死んでも良いこと無いわよ!内臓は飛び出るし、泡吹くし、脱糞するし、超カッコ悪いわよ!」


「あっ、そうか、じゃあ止めよ……。」


自殺しようとした若い現場監督の腰の安全帯を後ろから掴んで、黒川社長も危うく転落しそうになった。


黒川

「さあ、一体何がどうしたって言うのよ?人生そう悪い事ばかりじゃ無いわよ………?」


現場監督 A

「すみません、変な事に巻き込んじゃって。実は失恋しまして……、もう生きて無くて良いかなって………。」


黒川

「そうかあ、失恋すると、もうどうでも良くなるもんね。分かるわあ、人類なんて皆滅びれば良いのにね。失恋したら意味ないわ。バッカヤロー!バッカヤロー!ほれ、一緒に、バッカヤロー!アホー!ボケー!お前の母ちゃん出ベソー!ヤーイ!ヤーイ!…………………!」


黒川社長はA 現場監督を家に連れて帰って、桜井秘書の作った料理を振る舞った。


A は、美味しかったのか、感動したかでオイオイ泣いている。


「黒川社長さんでしたっけ?ありがとうございます。こんな私に良くしてくださって………。」


「命が有れば、美味しい料理も食べれるからね…………。」


「はい、本当に………。もう失恋は乗り越えられました。いろいろ大切な事を教えて戴いた気がします。ありがとうございました。」


「そうかい、良かった良かった。(笑)」

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