第4話 無視、無視、無視

次の日たくやから着信があった。

出れなかった。

たくやと会話する気になれない。

そこから1週間以上メールも電話も無視した。

メールは未読のまま放置。

電話出てまた写真の子だったら?って考えたらもう話したくないし、たくやとも何を話す?

今話すと責めるしかできない。

言い訳は聞きたくない。

別れようって言われるかもしれない。

全部したくなくて後回しにした。


自分なりに考えみた。

彼女とは別れたいけど別れてくれないとか何とか、写真の子はたくやから言われてるんだろう。

うちとたくやは月に1回会うかどうかってくらいしか会えないから、写真の子は普通に彼女みたいに会ったりやったりしてるんだろう。

ジャンプに匂わせるの仕込んだり、来る前に物を隠しておかしいって気付かせて。

たくやといる時にメールとか電話きてたのもこの子だったんかな?

…すごくない?


うち、同じ立場だったけど泣いて迷走するしか出来なかった。

そんだけ一途に好きって事なんやろうな…

完全に負けた気がした。


そもそも遠距離恋愛なんて、あのたくやができる事じゃなかったんや。

むしろ今までよくもった方。

最初から分かってた。無理ってこと。


写真の子がどんな子なのかわかんないけど、可愛いし、うちよりたくやのこと好きそうやし、たくやの事一途っぽいやん?

うちは別れた方がいいんやろうな…

…でも…



ちゃんと話はしないとダメだ。

でも、ちょっと今は無理。

それまでは…ごめん。

携帯を枕の下に入れて視界に入らないようにした。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る