第2話 最高神は孤独に、多勢に呟く
「バカだなぁ、あいつら」
最高神は、生まれ続ける天使を見ながら呟く。
生まれた天使は目の前の穴に飛び込む。
すると天使は化け物に姿を変える。
何故変わってしまったのか、それは天使や悪魔の魂の格が低いからだ。
天使や悪魔は、人間界に関わることはできない。
何故なら魂の格が低い為、今のように魂がぐちゃぐちゃになり化け物になってしまうから。
「よく考えたよね、悪魔を人間と契約させる形で権能渡すとか、ルシファー君を人間の魂に落とし込むとか。……まあ無駄だけど」
最初は人間界をダンジョンから天使を出すことによって潰すつもりだった。
いきなり地上に出さずにダンジョンと言う形にしたのは、僕の余裕というか遊び。
いきなり潰すのは面白くないから。
でもあいつらのせいでダンジョンはどんどん攻略されていった。
地上にそのまま出すことも考えたが、それは何故かできなかった。
これは恐らく運命神が敵はダンジョンから生まれると言う運命を確定させたから。
つまり僕は初手を間違えた。
これは屈辱的だったが、こんなのでしょげて時間を無駄にするほど僕はバカじゃない。
敢えて弱い奴ばかりを出して飽きさせた。
これからば人間どもはダンジョン攻略に旨みを感じなくなる。
長期的に見れば素晴らしいアイディアだと思った。
しかし奴らはエクリアなどと言うものを用意し始める。
これによっていくら弱くともダンジョン攻略に利益を発生させた。
ならば、ならばだ。
悪魔の内部分裂を狙えば良い。
天界から追い出した天使どもは全員が悪魔側に寝返ったが、僕が生み出した天使には刻印を記してある。
勿論これは僕にしかわからない刻印。
僕はそいつらを遠隔した。
そうして1年掛け、一人の天使を、主犯格である堂導廻の付き人することに成功した。
しかしあの堂導廻は、僕の刻印の支配を上書きする洗脳をした。
そしてありもしない記憶を散々植え付けたのだ。
堕龍は私の生み出したただの天使の一人、しかしそれを革命軍の幹部などと称して、追放されたなどと言う設定まで付け足した。
なんだそれは、僕は一切知らない。
つまりこれは虚偽、奴は僕の刻印を消すのではなく利用した、利用して多賀谷亮の[転換]のその先[再臨]まで到達させる為の駒にしたのだ。
そうしてあいつらは、この世にルシファーを、デアを顕現させることに成功した。
奴らの最高戦力であり、僕に最も近しい最強の天使を。
しかし、しかしそこまでしてなお、いや……そこまでしてるからこそ、言いたい。
「バカだな、ほんっっっとうに、バカで救えない、その全ては一瞬で終わってしまう!!!」
力が、膨れ上がる。
廻る、永久的に、増え続け、廻る。
1000年と言う時間は、進化するには十分すぎる時間であり、運命神の確定させた物を破壊するのにも十分な時間——
「一気に終わらせよう。降りろ」
その瞬間、全世界で前代未聞の時間が起きた。
ダンジョンに沸かない筈のモンスターが、地上に出現した。
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