三章 神魔大戦

プロローグ① 『偉大なる神』 様

 500年前、天界。


「最高神ゼウスJr.様のお言葉」


 パチパチパチパチパチパチパチパチ。


「みんなー! 革命成功に、かんぱ〜い!!」

「「「「乾杯!」」」」


 皆が手に持つ酒は、下界では知る事すら成し得ない神の酒。

 そんな素晴らしい酒を、その場の神々はハイペースでガブガブ飲んでいく。


「いいね〜! うん、やっぱり神は自由でなくてはいけない!」

「そうだそうだ!」

「いいぞ〜!!」

「Jr.様最高!!」


 持ち上げられたJr.は、酒を一気飲みする。

 それに釣られた神々も一気飲みをする。

 やがて酒が回り始め、神々の飲み方は荒れていく。

 頭から酒をかぶったり、タワーを作ったり、マナーもクソもない空間はと変わっていく。


 無秩序を体現する様な、幼稚な者どもの集まり。


「最高に盛り上がってるとこ申し訳ないが、そろそろ本題にはいろうか」

「「「っ!!!!」」」


 Jr.の一声で、先程までの馬鹿騒ぎが一気に止まる。

 Jr.の圧倒的な力の前に逆らえない、と言うのもあるが、違う。

 皆が静まったのは、これから話す議題がとんでもなく重要だから。


「めんどくせぇ前置きは無しで、結論から。……人間滅ぼしたい人手ェあげて〜!」


 ザッ、と音がして、全員の手が挙がる。

 

「ダヨネェ〜! てことで、採決を執り行うけど……要らないべ?」


 異論の声は、上がらない。


「はいじゃあけって〜!! 拍手!」

  

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ。


「んじゃ天使ちゃん達に通知よろぴく〜、俺様は部屋で賭け事でもしようかな、参加したいやつは来いよ〜!」


 

 夜が明けた後日、天界では神が人間を滅ぼすことを正式発表した。

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