第8話 やったーオフ会だー。(4)尊い尊い尊い

ねぇ、みんな、「尊み」って言葉知ってる?知らない人なんていないよね?いるの?よし、消そう。

まぁそれは2割くらい冗談として目の前の光景をご覧いただきたい。美女2人と推しの談笑。これを「尊い守りたい、この光景」と言うのだ。この光景を見て微笑まない奴はいないだろう。

でも今日はカラオケに来たんだった。

「あのー、そろそろカラオケしましょうか。」気まずそうに手をあげて提案する。なぜ気まずそうか?この状況において私を「百合に挟まる者」と短絡的に紐付け、殺しにかかってくる不届き者がいるからだ。いや、私も「百合の間にあまり入るな。」とは思う。とはいえ、「ただ、女の子の談笑に女の子が入っただけなのになぁ」と苦笑してしまう。

ちなみに、わたしの提案は何事もなく受け入れられた。

同時に、殺気が消えた。うん、殺気って向けられると意外と気づく者なんだね。後さ、店員さん。そんな羨ましそうな目で見ないで。元男として罪悪感が・・・ないわ。だって、お近づきになろうと思ったことないしさ。「結局、勇気のないやつだからそうやって見ることしかできないんだろうなぁ」と思う。いや、うん、話しかけられても迷惑だし、さっさと帰ってくれない?っていうか注文滞ってるでしょ。

「あのー、ジュースもらえます?」とドアから覗いている彼に言う。彼は少し慌てた後、すぐにジュースを持ってきた。ウェイターとしては優秀なのかもなぁ。いや、お客さんのこと覗いてる時点で失格だな。


えーと、次はなんだやくびょu・・・ゲフンゲフン、月波さん疫病神かぁ

なんか嫌な予感が。

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