人はだれでも地球を守るヒーローとなる

 頭がいいけどめんどくさい部下を持つ、うだつの上がらない営業マン、家族でもヒエラルキーが一番低い中迫氏。

 この、悲しきサラリーマンはしかし、どこか愛嬌があり暗さはない。さくさく彼の日常を楽しめる。

 そこには作者の軽妙でリズムの良い文体と、愛にあふれる諧謔が見て取れる。

 その日常が宇宙人によって破られ、地球が侵略されようという非日常が訪れる。

 中迫氏のスーパーミラクルな活躍は、予想を遥かにかっとんでいる。冴えないサラリーマン一世一代の大勝負は、手に汗を握らざるを得ない。

 読み終わった後のカタルシスはとても素晴らしいので、ぜひ味わって欲しい