ゴリゴリ筋肉とラブコメの躍動感を存分に味わって欲しい

 まず、最初に言おう。ゴリマッチョ筋肉×ラブコメの金字塔である。

 コメディであるから、笑いが止まらない。
 ラブであるから、ニヤニヤが止まらない。
 そしてゴリマッチョ筋肉であるから、ゴリマッチョ筋肉が止まらない。

 一作品で三つの柱があり、それが謎の疾走感を以て楽しませてくれる。

 主人公ソフィアはゴリマッチョを愛する令嬢。しかし、周囲には細マッチョしかいない。そのような寂しい青春を贈ってきた矢先、理想のゴリマッチョ筋肉に出会う。

 誰でも、最初は好みかどうか、で相手を見てしまうであろう。ソフィアは筋肉である。性癖に忠実に、様々な筋肉に胸ときめくソフィア。それは恋なのか憧れなのか欲望なのか。

 そのソフィアはただ、欲望まっしぐら令嬢ではない。相手を、相手の筋肉を大切にし、すばらしさを心の中で、時には口を出して讃えるのだ。それは彼女のかわいらしさにも通じ、読者も気づけば、性癖に素直な彼女に夢中になってしまう。

 そりゃあ、筋肉さんも夢中になっても仕方があるまい。

 作中は色々な筋肉が出る。ソフィアにとって理想の筋肉。ソフィアの心を乱す筋肉。ソフィアの理想を目指した筋肉。観賞用に近いが蠱惑的な筋肉。

 筋肉であり魅力的な彼らは、ソフィアの心を揺れ動かし、そして筋肉以上の恋の扉を開けるのである。

 このレビュー記述段階、連載中であるが、読んでいる間に『ここに教会を建てよう』と何度思ったか。何度手を打ったか。何度、『がんばれ』と励ましたか。欲望に素直な主人公、そして同じくらい欲望に素直な筋肉たちは、恋を愛を清々しいほど楽しんでいる。そして常にゴリマッチョがある。


 いつも心に筋肉を――これを合言葉に楽しんで頂きたい。

 追伸。こちらはレビュー練習企画から来ました。いや、こんな素晴らしい作品を拝めるとは、企画に感謝しております。ノア殿下に黒い肌ぴちぴちボディースーツ着こなして欲しいだけの人生だった。

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